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クラレクラフレックス 「フレクスター」の用途開拓進む
クラレクラフレックスは06年秋に量産を開始した新規不織布「フレクスター」による用途開拓に力を入れている。11年度中にフル稼働させるめどを「下期中につけたい」(中島多加志社長)としており、畳関連の資材や内装材での取り組みを急ぎ、11年度から本格販売をスタートさせたい考えだ。
「フレクスター」はスチームジェット法という製法で生産する同社独自の不織布。薄手の原反、厚手のボード状原反の2タイプで展開しており、伸縮包帯や畳用の資材(畳床)、障子紙、和装用の小物でスペックインを実現している。
伸縮包帯では先に東京消防庁が救急車に常備する備品として「フレクスター」を採用。他府県に向けた販促とも取り組んでいる。
現在、畳関連や内装材向けのスペックインを急いでおり、来年度からの販売を計画。また、来年度はボードでの開発案件を「順次、具体化させていく」(中島社長)としており、これらを通じ11年度中のフル操業を実現したい考えだ。
一方、既存の乾式「クラフレックス」やメルトブローでは09年度、インフルエンザ騒動に伴う特需で絶好調だった反動が発生。10年度は前年減となるものの、「おそらく前年の80%前後まで回復させられる」(同)と見通している。
数%に充たない輸出の拡大を計画しており、10月からクラレの上海現法に駐在員を派遣し、中国内需狙いのアプローチを本格化。日系企業の開拓を強化し、工業用ワイパーや「カウンタークロス」のような製品ビジネスを先行させ対中輸出拡大と取り組んでいく。
国内展開においては、メディカル関連やフェースマスクのようなコスメティック用途、自動車用防音材などをターゲットとする開発・販促に重点化し、輸入原反や輸入製品と競合しないゾーンへの依存度を引き上げたい考えだ。
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