尖閣問題で「カヤの外」に置かれた前原外相、失地挽回とばかりに・・

2010年10月8日 11:31

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

臨時国会が始まったが、本会議場の雛壇で菅首相の隣に座わり、副総理格の地位を固めたのは前原誠司外務大臣。国交相からの「昇格」は、勿論、代表選での菅首相再選への原動力役を果たしたことへの「論功行賞」であろう。だが、折角外務大臣を射止めたものの、出足はすこぶる悪かった。

臨時国会が始まったが、本会議場の雛壇で菅首相の隣に座わり、副総理格の地位を固めたのは前原誠司外務大臣。国交相からの「昇格」は、勿論、代表選での菅首相再選への原動力役を果たしたことへの「論功行賞」であろう。だが、折角外務大臣を射止めたものの、出足はすこぶる悪かった。[写真拡大]

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■「経済外交推進」の大風呂敷

  臨時国会が始まったが、本会議場の雛壇で菅首相の隣に座わり、副総理格の地位を固めたのは前原誠司外務大臣。国交相からの「昇格」は、勿論、代表選での菅首相再選への原動力役を果たしたことへの「論功行賞」であろう。だが、折角外務大臣を射止めたものの、出足はすこぶる悪かった。それは、国交相の最後の仕事となった、尖閣諸島における中国漁船衝突事件の「処理」のまずさにあった。「原理主義者」の前原氏は国内法遵守を前面に掲げ、逮捕、起訴へと進め、自ら現場に赴き、海保職員を「激励」するという熱の入れようだった。ところが、中国側の強硬な抗議と報復処置にあうや、「腰砕け」に陥り、対応を官邸に委ねる結果となったのだ。

  その後、事態は「船長釈放」からブリュッセルでの「首脳会談」へと進み、事態は、一応、収束へと向かう趣であるが、この間、外務省を初め前原大臣には「出番」がなかった。唯一、ヒラリー米国務長官から「尖閣諸島周辺は日米安保の範囲内」という見解を引き出したが、これすらも、「彼女のスカートの中に隠れた」と揶揄される始末である。 だが、そう簡単に「めげる」前原氏ではない。5日の外国特派員協会での講演では、次のように「日本外交の戦略的課題」をこう、語っている。「経済外交への注力」である。

  日本が今何をすべきかといえば、答えは簡単である。経済を成長させること、私はそれに尽きると思う。軍縮も大事、核の不拡散も大事、気候変動、国連の安保理常任理事国入り、開発支援、全て大事なことだが、それは日本の国力を高めていかない限り、十二分な外交ができない、という意味においては、最も重点を置くべきなのは、日本の経済をどう発展させるのか、そのための外交をどうやるかということを最優先課題として取り組まなければならないことだと考えている。

  こう、「経済外交を私の外交の基本に据える」と前置きした前原氏は、その柱を3つ掲げた。

 1.より自由な貿易体制をつくるための取り組み  2.資源あるいは食料というものを多角化し、リスクをヘッジする取り組み  3.日本の持っている優れた技術あるいはインフラを世界に輸出する

  そして、自由な貿易体制の確立については次のように例を挙げて力説した。

  日本の大切な隣国である韓国と日本を比較すると、自由貿易に対する取り組みには極めて差がある。日本が全体の貿易量でFTA/EPAでカバーできているのが16.5%、それに対して韓国は全貿易量の36%。今、日本は様々な経済的困難に直面しているが、例えば韓国との違いで言えば、韓国は法人税率が20~22%くらいだと思うが、日本は40%、ウォン安と円高、そして、FTAやEPAのカバー率は日本の倍以上、ということを考慮すれば、日本で作った商品が韓国で作った商品と海外で戦える訳がない。そういう状況を作ってしまったということが今までの政治の無策だったと思う。

  そして、「できるだけ二国間でのFTA/EPA交渉を進め、まとめていくと同時に、日本はAPECの議長国でもあるので、TPPに具体的に踏み込めるかどうかが一つの大きな試金石だと思っている」と付け加えた。

  さらに、「資源、食料、インフラ輸出」については、「世界全体でどういった需要があるのか、あるいは資源、食料について、各国の特性や資源保有の状況などを、在外公館を抱える外務省がしっかり情報把握をし、他の役所と連携をしながら戦略的にマーケィングをしていきたい」と述べ、そのためには外務省の組織変革を断行するとまで踏み込んだ。前原氏の意気込みは多とするが、まずは外務省という組織を「掌握」し、政治的に動かしていく力量を大臣自身が身に着けることだろう。「八ッ場ダム」の時のように、威勢良くこぶしを振り上げたものの、振り向いたら誰も付いてこなかったということにならないように。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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