相場は空腹と満腹の間で動く=犬丸正寛の相場格言

2010年9月30日 11:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

出来高(エサ)の少ない空腹時を株価は底として、出来高の増加と共に株価は上昇に転じます。そして、エサ(出来高)が多くなりすぎると、それ以上は食べることができなくなり株価は下げに向かいます。

出来高(エサ)の少ない空腹時を株価は底として、出来高の増加と共に株価は上昇に転じます。そして、エサ(出来高)が多くなりすぎると、それ以上は食べることができなくなり株価は下げに向かいます。[写真拡大]

■相場は空腹と満腹の間で動く

  この世に生きる動物、植物、あらゆる生き物は、エネルギーがないと生きていくことはできません。生物だけでなく、車だって燃料がないと走ることはできません。すべからく、動くことにはカロリーが必要です。1カロリーは、摂氏14.5度の水1CCを1度上げるのに必要なエネルギーだそうです。「人は生きるために食べるのか。食べるために生きるのか」、なんて哲学めいたことは、ともかくとして、「腹がへっては戦ができぬ」ことも事実です。

  相場だって同じです。相場には、「逆ウォッチ曲線」という、出来高と株価の関係、言い換えると、エサ(出来高)と元気度合い(株価)の関係を見事に現すグラフ図があります。横軸に「出来高」、縦軸に「株価」をとって、それぞれ25日移動平均値としてグラフ上に描きます。すると、時計の針とは、逆回転で楕円形を描きます。皆さんの頭にイメージしてください。円の形が左から右に移って、やがて、上昇に向い、頂点を過ぎ、下降線を描き、最後は元の位置に帰ります。これで、ひと相場が終ります。

  つまり、出来高(エサ)の少ない空腹時を株価は底として、出来高の増加と共に株価は上昇に転じます。そして、エサ(出来高)が多くなりすぎると、それ以上は食べることができなくなり株価は下げに向かいます。つまり、出来高の少ない空腹状態から、これ以上食べれないと言う満腹状態で株価はピークとなります。面倒ですが、一度は逆ウォッチ曲線を作成してみると、出来高と株価の関係、つまり空腹と満腹の関係がよく理解できると思います。

  もちろん、日経平均のような指数でも個別銘柄でも使えます。慣れてくれば、東証1部の出来高を見ていれば、空腹・満腹状態は見当をつけることができます。昔から、『閑散に売りなし』といわれるのも、こうした相場の空腹状態を表していると思います。反対に、金魚にエサをやりすぎたり、鉢植えの観葉植物に水をやりすぎると死んだり枯れたりします。相場も非常によく似ていると思います。皆さんだって、食べ過ぎると糖尿病の危険があります。株価以上に出来高に注意を払うようにしましょう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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