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建設現場向け人材派遣:コプロHDの成長戦略を覗く
コプロ・ホールディングス(7059、東証・名証プライム。以下、コプロHD)。建設現場向け人材派遣業が主軸。大手ゼネコン向けが約2割。建設現場の労働者の働き方改革(残業時間削減等)を背景に、求められる業態であり競争の激しい環境にある。
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そんな中にあり、いまコプロHDも、人材確保投資と向き合いながら着実にその存在感を高めている。そのことは、ここ数期間の収益動向に顕著に表れている。
2023年3月期は「20.5%増収、18.5%営業減益」。決算資料はこう説明している。
「月間3000件を超えるなど、旺盛な人材需要が増収につながった。が旺盛需要の継続に対応するため、前年度比3倍近い採用コストを積極的に投入した。採用人数は1472人と過去最高を記録し、前年度末に対し638人の増加となった。高砂熱学の子会社から、大手サブコン(下請け会社の管理を担う)で経験を培った高スキルの技術者122人を移籍させた。結果年度末の技術者総数は2777人となった」。
人材こそ命の業態。コストは惜しまない体質が見て取れる。アナリストの口からは、「そうした投資を機に触れ折に触れて行える背景としては、無借金経営という好財務体質が指摘できる」とする見方も聞かれる。
そうした投資が生き24年3月期は「28.2%増収、62.0%営業増益」。そして今3月期は「24.5%の増収(300億円)、26.1%の営業増益(27億円)」計画で立ち上がり、第2四半期は「前年同期比27.7%増収、67.9%営業増益」で通過。連続の過去最高純益更新を確実視させている。
かつ中間期末の在籍技術者数は28.8%増の、4482人。好調需要に対してコストを投じた採用/移籍で盤石なスタッフ構造の確立が好収益を呼び込み、それがまたスタッフ採用増という好循環を生み出している。ちなみに23年3月期以降の連続増配で、今期の配当予想は60円配と35円上乗せされている。
天邪鬼の身ながら、第2四半期の決算説明資料の喜々とした顔入りの「連結技術者数/連結売上高/営業利益/経常利益/当期純益/過去最高」を目にすると頷かざるをえない。
機電・半導体関連/IT関連の技術者派遣にも注力しているが中間期で、前者は前年同期比69.6%後者で55.3%スタッフ数が増加している。
本稿作成中の時価は1800円台前半、予想税引き後配当利回り2.7%弱。年初来高値は1919円(3月)。8月5日の1222円まで整理し、戻り過程。2019年3月の上場初値に対し、修正済み株価パフォーマンスは2.8倍弱。どう取り組むかは読者の判断次第・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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