高齢者を襲う「廃用症候群」とは? 人生100年時代を元気に生き抜くための予防法

2024年10月6日 16:52

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記事提供元:エコノミックニュース

厚生労働省が発表している「簡易生命表」によると、2023年の日本人の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.14歳となっており、男性女性共に前年をわずかに上回っている

厚生労働省が発表している「簡易生命表」によると、2023年の日本人の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.14歳となっており、男性女性共に前年をわずかに上回っている[写真拡大]

 厚生労働省が発表している「簡易生命表」によると、2023年の日本人の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.14歳となっており、男性女性共に前年をわずかに上回っている。

 人生100年時代。平均寿命が延びることは大変喜ばしいことではあるが、寿命を全うする人のうち、一体何人の人が最後の時まで「健康」でいられるのだろうか。いくら長生きしても何年も寝たきりの生活を送ることになったり、要介護、要支援の生活を余儀なくされることになれば、本人はもとより、家族にも負担をかけてしまう。

 令和 4 年 国民生活基礎調査によると、要介護、要支援の原因は「認知症」の 16.6%、「脳血管疾患(脳卒中)」の 16.1%に次いで、「骨折・転倒」13.9%、「高齢による衰弱」13.2%など身体機能の衰えによるものが多くみられる。高齢になると、ただでさえ骨や筋肉が衰え、回復もしにくくなる上、運動不足や、ケガや病気によって入院などの不活動が重なると、筋萎縮や関節萎縮などの廃用症候群という状態に陥り、全身の活動性にも影響が及んでしまう。例えば、絶対安静の状態で筋肉を動かさないでいると 1 週間で筋力が 10~15%も低下する。高齢者では たった2 週間で下肢の筋肉が 20%も萎縮するといわれているから恐ろしい。しかも高齢者の場合、一度廃用症候群になると、元の状態まで改善させることは難しい。廃用症候群は治療よりも、まずは予防が最重要と言われる所以だ。

 廃用症候群の予防や治療については、医療機関をはじめ、さまざまな分野での研究が進められている。まず、予防策の一つとして挙げられるのが「適度な運動習慣」だが、運動は廃用症候群に対して予防効果が期待できる一方、活性酸素等の酸化ストレスも増加させてしまう恐れが指摘されている。そこで、運動とともに、抗酸化力の高い栄養素を食事、もしくはサプリメントなどで補う必要がある。とはいえ、サプリメントの効果は実感しにくいものが多いので、最適なものを選ぶのは難しい。

 そんな中、注目されているのが、ミツバチが作り出す「プロポリス」だ。プロポリスは、はちみつやローヤルゼリーと異なり、ミツバチが植物の新芽や樹皮から集めた樹液と、花粉やミツバチの分泌物である唾液、ミツロウなどが混ざってできたものだ。日本では 別名「蜂ヤニ」とも呼ばれている。本来は、ミツバチが巣の隙間を埋めて外敵やウイルスの進入を防ぐのに使ったり、巣内を衛生的な状態に保つために使用しているものだが、高い抗菌性と抗炎症作用があり、最近の研究によって、花粉症やアトピー性皮膚炎、ぜんそくによるアレルギー疾患やインフルエンザ、肥満、メタボリックシンドローム、老化、認知症などの予防効果があることが発見されている。

 

 プロポリスの中でも特に最高品質といわれる「ブラジル産グリーンプロポリス」は強力で、今年5月に開催された第 78 回 日本栄養・食糧学会では、株式会社山田養蜂場の自社研究機関である山田養蜂場健康科学研究所と、日本大学生物資源科学部バイオサイエンス学科の研究グループとの共同研究において、ブラジル産グリーンプロポリスが廃用性筋萎縮に伴う筋タンパク質の分解を抑制することで、筋萎縮を防ぐ可能性を確認したことが報告されている。本研究は、廃用性筋委縮をその後の筋再生まで含めたプロポリスの作用とそのメカニズムを検証した初めての報告だ。ブラジル産グリーンプロポリスを予防的に継続飲用することで、高齢者の要介護要因の一つである筋萎縮を防ぐ可能性が示されたことは、日本のみならず、高齢化社会に突入している海外の先進各国からも大きな注目を集めそうだ。

 前述したように、プロポリスにはさまざまな健康効果が期待できることが判明している。廃用症候群の予防はもちろん、総合的な健康維持や予防の目的でもブラジル産グリーンプロポリスの需要が伸びてくるのではないだろうか。(編集担当:今井慎太郎)

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