大揺れ相場にあっても高値更新、長期連続増収増益・連続増配:モノタロウを考える

2024年8月16日 09:41

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 「ブラックマンデーに次ぐ大幅な下げ幅」「ブラックマンデー時を上回る過去最大の下げ幅」。8月早々、日経平均株価の暴落が発現した。かつ今もって(本稿作成の8月上旬時点)、「1日の変動幅1000円以上」という相場が見受けられる。

【こちらも】大企業向けに軸足を移しつつあるモノタロウの、足元と株価動向

 いまや多面的な評論活動を展開している「ホリエモン」こと堀江貴文氏は、「今回、狼狽売りで損をした向きは投資家としての資質に欠ける。やめた方がいい」とする。「一理あり」とは思う。

 大暴落という流れに「銘柄選択術」を求めようと考えた。値崩れを殆ど起こしていない、いやそんな流れの中でも「値上がり」をみせた誰もが知っているような企業を探したい。そしてその「何故」を知りたいと思ったからだ。

 MonotaRO(3064。東証プライム。以下、モノタロウ)。に出会った。年初来安値1353円(2月6日)に対し、8月9日に2421円の年初来高値をつけていた。工場・工事用間接資材のネット通販を個人・小規模業者を展開、現在では大企業との取引も拡大。現状で910万6500を超える口座数を積み上げている、あのモノタロウである。

 モノタロウは2000年に、住友商事の社内分社として設立された。中心となった人物は、後に「プロ経営者」と称されることになる瀬戸欣也氏である。米国のグレンジャー社との間の合弁会社として「ビジネスの将来性を感じた仲間で作った」(瀬戸氏)。

 ちなみにモノタロウの外国人投資家の持ち株比率が78.6%(前12月期末)と高い要因の一つは、そうした設立の経緯による。

 収益状況・株主策の動向を遡って調べた。「外国人投資家が手放すはずがないよな」と、改めて痛感させられた。「15期間連続増収・営業増益」「15期間連続増配」。

 コロナ禍に世界中が晒され苦悩した2020年12月期も「19.7%増収、23.8%営業増益」。以降も「20.6%増収、23.1%営業増益/19.1%増収、8.6%営業増益/12.5%増収、19.4%営業増益」。そして今期計画「12.7%増収(2865億7000万円)14.4%営業増益(358億2000万円)」。連続増配も持続している。

 もっとも私はモノタロウを「買い」と薦めるつもりで、この原稿を書いてはいるわけではない。モノタロウの「連続増収営業増益」を上回る銘柄は他にもあるからだ。モノタロウの15期連続は、ランキングで7位タイ。

 ちなみに付け加えるとモノタロウをウオッチしている10人のアナリストが算出している、IFIS目標平均株価は2357円。10人中1人が強気/1人がやや強気も、中立は6人/弱気1人である。「投資はあくまで自己責任」を、改めて付け加えておきたい・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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