6日の香港市場概況:ハンセン3.0%安で続落、カジノ銘柄に売り

2023年7月6日 18:00

印刷

記事提供元:フィスコ

*18:00JST 6日の香港市場概況:ハンセン3.0%安で続落、カジノ銘柄に売り
6日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比577.33ポイント(3.02%)安の18533.05ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が221.41ポイント(3.41%)安の6268.53ポイントとそろって続落した。ハンセン指数は6月1日以来、5週ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は972億9100万香港ドルにやや拡大した(5日は868億8810万香港ドル)。


世界景気の先行き不透明感が重しとなる流れ。欧州や米国、中国で公表された景況感指数はそろって軟調な内容だった。中国で前日公表された6月の財新中国サービス業PMIは53.9となり、市場予想(56.2)以上に前月(57.1)から低下。足もとでは、予想を下回る経済指標の発表が相次いでいる。米中の経済対立も不安視。中国が半導体製造に必要な素材の一部を輸出規制すると発表する中、米商務省の報道官は5日、「中国の規制措置に断固反対する」と反発し、同盟国と対応を協議することを明らかにした。それより先、事情に詳しい複数関係者の話として「バイデン米政権は中国企業を対象に、米国のクラウドサービスの利用を制限する準備を進めているもよう」などと外電で4日に報じられている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの金沙中国(1928/HK)が5.3%安、政府系インベストメント会社の中国中信(267/HK)が5.1%安、ビールメーカー大手の百威亜太HD(1876/HK)が4.9%安と下げが目立った。ほか、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が4.0%安。同社については、第2四半期の売上高が前年同期比で63%減少したことも嫌気されている。このほか中国大手行は、権利落ちにより調整前の株価で急落した。中国工商銀行(1398/HK)や中国建設銀行(939/HK)、中国銀行(3988/HK)などが現金配当の権利落ちをそろって迎えている。


セクター別では、マカオ・カジノが安い。上記した金沙中国のほか、永利澳門(1128/HK)が4.2%、美高梅中国HD(2282/HK)が4.1%、新濠国際発展(200/HK)が3.1%ずつ下落した。


レストランチェーンや酒造やレストランチェーンの飲食関連も急落。前記した百威亜太のほか、華潤ビールHD(291/HK)が4.5%安、九毛九国際HD(9922/HK)が7.4%安、海底撈国際HD(6862/HK)が4.3%安と値を下げた。


ガス供給関連もさえない。新奥能源HD(2688/HK)が4.6%安、中国燃気HD(384/HK)が3.5%安、華潤燃気HD(1193/HK)と港華智慧能源(1083/HK)がそろって3.2%安で引けた。


本土市場も続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.54%安の3205.58ポイントで取引を終了した。医薬品が安い。消費関連株、レアアース・非鉄株、エネルギー株、公益株、運輸株、インフラ関連株、金融株なども売られた。半面、不動産株は高い。自動車株とハイテク株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

関連記事