有害性を認識も、企業がPPAPを使い続ける理由

2023年2月9日 08:14

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記事提供元:スラド

東京大学空間情報科学研究センターらの研究グループは、「日本国内におけるメールセキュリティに関する実態把握」の研究報告を発表した。いわゆるPPAPの脆弱性に関しては、政府なども告知している状態にもかかわらず、まだ企業間で使い続けられている。この研究では利用状況や理由、脆弱性の認識はあるかなどの質問を344社に行ったものとなっている(情報処理学会ITmedia)。

調査の結果、64%にあたる219社がPPAPを今も採用していると回答。現時点では廃止していると回答したのが16%の54社であったため、回答した組織の約80%がPPAPを使っていた実績を持っていることが判明した。また現在PPAPを採用中の219社のうち42%に当たる93社がPPAPの廃止を検討中であるとしている。

PPAPを現在でも使っている219社に対して、PPAPの有害性や無効性を認識しているかを確認したところ、約88%は認識していると回答。政府がPPAP廃止を宣言したことを知っている組織も79.5%にのぼっている。使い続けている理由として、社内で決められているからが53社と多く、続いて52社が送信先に対してセキュリティ対策を行っていることを明示的に示せると回答したとしている。

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