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小惑星リュウグウの粒子を磁気分析、太陽系形成のメカニズム解明へ 米MITの研究
形成された直後の惑星を取り囲む塵とガスのイメージ。 (c) NASA[写真拡大]
太陽系誕生直後の磁場は、太陽から7天文単位以内の太陽に近い領域を起源とする隕石の磁気分析で把握できていたが、それより太陽から離れた領域は、これまで情報がなかった。
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米国マサチューセッツ工科大学(MIT)は11月6日、はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰った粒子の磁気分析を行い、太陽より7天文単位以遠の領域の磁場に関する知見を得ることに成功したと発表した。研究の成果は、天文系ジャーナル「AGU Advances」に掲載されている。
過去の隕石の磁気分析により、太陽から7天文単位以内では、太陽に星間ガスを集めるのに十分な磁場があったことが判明しているが、それ以遠については知見がなかった。
小惑星リュウグウは、現在は地球に近い軌道を公転しているが、太陽から7天文単位以遠の宇宙空間で誕生したと考えられている。そのため、太陽系誕生初期(誕生から350万年以内)の太陽系外縁部における磁場推定には、リュウグウ粒子が役立つ。
リュウグウ粒子の磁気測定結果は、15マイクロテスラで、現在の地球の50マイクロテスラと比較して非常に小さい。太陽から7天文単位以内では50~200マイクロテスラの比較的強い磁場があったことが、これまでの隕石の磁気分析で判明していた。
今回の研究では、改めて太陽から7天文単位以遠に起源をもつ隕石の磁気分析を実施し、5マイクロテスラであることから、リュウグウ粒子のそれに近い値であることが分かった。
太陽から7天文単位と言えば、木星の公転軌道に相当する。それより内側では、強い磁場で太陽に物質が吸い寄せられ、現在の惑星が誕生する元となった。それ以遠の領域でも、ごく弱い磁場が存在し、それがより内側に物質を吸い寄せる役割をはたし、太陽誕生から300~400万年後には太陽から7天文単位以遠では星間ガスは消失していたのではないかと、今回の研究では推定している。
小惑星粒子の磁気分析研究はまだ始まったばかりだが、他の小惑星からのサンプルリターン事例が増え、多くのデータが蓄積されれば、太陽系誕生メカニズムの詳細がより明らかにされることだろう。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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