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24日の香港市場概況:ハンセン6.4%安で4日続落、テック指数は9.7%下落
*18:00JST 24日の香港市場概況:ハンセン6.4%安で4日続落、テック指数は9.7%下落
週明け24日の香港市場は、主要73銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比1030.43ポイント(6.36%)安の15180.69ポイントと4日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が402.96ポイント(7.30%)安の5114.48ポイントと急反落した。ハンセン指数の下落率は今年最大を記録し、2009年4月以来、約13年半ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は1617億5250万香港ドルに拡大した(21日は939億7030万香港ドル)。
中国の金融・財政に対する不透明感が相場を崩す流れ。共産党大会閉幕後に第20期中央委員会第1回全体会議(1中全会)が開催され、最高指導部のメンバーが決定されたが、経済通と言われる李克強・首相の指導部入りはなかった。中国人民銀行(中央銀行)の易綱・総裁は中央委員会メンバーに選出されなかったことにより、退任する可能性が高まっている。また、党大会で新型コロナウイルス感染防疫措置の緩和や、不動産業の支援策などに言及がなかった点も失望された。寄り付き直後に中国経済指標がまとめて公表され、注目の第3四半期(7〜9月)国内総生産(GDP)成長率は大幅に上振れたが、好感する買いは限定されている。(亜州リサーチ編集部)
「ニューエコノミー」関連銘柄に売りが先行。ハンセン科技(テック)指数は9.7%安と他の指数をアンダーパフォームした(構成銘柄30は全面安)。2020年7月27日に公表開始以来の安値を更新している。個別では、高性能データセンター開発・運営の万国数拠HD(9698/HK)が17.5%安、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が14.9%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)と飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)がそろって14.8%安と下げが目立った。習近平・国家主席の政権3期目が発足し、中国新指導部が習派で占められる中、ネット企業などの規制が強化されるとの不安が広がっている。
中国の不動産関連も安い。龍湖集団HD(960/HK)が15.1%、旭輝HD(884/HK)が12.3%、中国海外発展(688/HK)が10.4%、中国金茂HD(817/HK)が9.4%ずつ下落した。不動産関連指標が悪化。今年1〜9月の全国不動産開発投資額(名目ベース)は、中国全体で前年同期比8.0%減少した。6カ月連続のマイナス成長で、減少率は1〜8月の7.4%から拡大している。全国展開型デベロッパーの中国海外発展については、1〜9月期決算の20%減収も嫌気された。
スポーツ用品や家電など消費セクターも急落。創維集団(751/HK)が8.8%安、海爾智家(6690/HK)が6.3%安、海信家電集団(921/HK)が4.5%安、安踏体育用品(2020/HK)が7.6%安、李寧(2331/HK)が7.1%安と値を下げた。低調な小売指標も売り材料視される、9月の小売売上高は前年同月比2.5%増にとどまり、増加率は市場予想(3.0%)と8月実績(5.4%)を下回った。
一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比2.02%安の2977.56ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。不動産株、金融株、医薬品株、エネルギー株、公益株、運輸株、素材株、半導体株、インフラ関連株なども売られた。半面、軍事関連株は物色されている。
亜州リサーチ(株)《FA》
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