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ソニーが自前のEV発売へ、本格化するEVへの異業種参入! (上)
ソニーのVISION-S試作車両。(画像: ソニーグループの発表資料より)[写真拡大]
4日(現地時間)、ソニーグループの吉田憲一郎社長は、米ラスベガスで開催されている「CES」の会場で行われた記者会見で、EVの事業会社として「ソニーモビリティ」を設立すると発表した。
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CESはコンシュマー・エレクトロニクス・ショーの略語で、1967年に国際的な家電見本市としてスタートした。近年は家電見本市としての枠組みを越えて、自動車メーカーも大きなブースを設置するなど、最新技術公表の場としての存在感が高まっている。
2018年には、トヨタの豊田章男社長が自らプレゼンを行い、モビリティサービスの専用EVで自動運転技術を搭載した「e-Palette Concept」を発表した。e-Palette Conceptは、2019年の東京モーターショーに東京2020オリンピック・パラリンピック仕様車として出展され、2021年に延期して開催された東京オリンピック・パラリンピックでサービスを提供している。
2021年、CESは新型コロナウイルスの感染拡大のため中止を余儀なくされた。2022年もオミクロン株の感染が拡大している影響を受け、出展を中止したり、オンライン参加に切り替える企業も多かったが、およそ2200社以上の参加により5日から7日まで3日間開催される。
2019年には、約4500社の出展を数え、4日間の開催期間中に約17万人超が参加していたので、期間も出展社数もやや小振りの印象は否めないが、より洗練されたエッセンスが詰まったイベントと言えるかも知れない。
今回のCESでソニーの吉田憲一郎社長は、新会社の設立と共にソニーとしては2台目のSUVタイプの試作車両(VISION-S 02)も発表した。詳しいデータは未公開だが、2020年に発表された「VISION-S PROTOTYPE(以後はVISION-S 01と記載)」の車体サイズは全長4895mm、全幅1900mm、全高1450mmだった。これは日産のスカイライン(全長4810mm、全幅1820mm、全高1440mm)を一回り大きくしたサイズでありながら、スカイラインのホイルベースが2850mmなのに対して、VISION-S 01のホイルベースは3000mmものサイズであることが話題になった。
今回のVISION-S 02が、VISION-S 01用に開発された汎用性の高いEVプラットフォームを活用して、SUVに発展させた可能性は高い。
EVを「センサーやクラウド、5G、エンターテインメント技術、コンテンツを含めた集合体」とイメージするなら、既にソニーはその分野における傑出したメーカーであり、「モビリティ」の新しい姿を想像するのに最適の存在と言えるだろう。
VISION-S 01は前後に200kW(272ps)モーターを搭載して、4輪すべてを駆動するAWDだった。VISION-S 02のモーターサイズは変更の可能性が高いが、SUVと親和性の高いAWDは引き継がれるだろう。(続く)(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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