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鉄の形態変化、地球生命の進化で推進役に オックスフォード大の研究
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生命進化の過程において、これまでに鉄は非常に重要な役割を果たしてきた。今から40億年以上前に誕生した地球に鉄が存在していたことは、我々人類にとって非常に幸運な出来事であった。
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だがオックスフォード大学の研究者によれば、鉄の存在は生命誕生の必要条件だが、十分条件ではないという。地球の進化が鉄の存在形態に様々な変化を与え、そのことが偶然ながら生命の進化に大きく寄与し、知的生命体を育む原因となっていたことが明らかにされた。研究成果の論文は、12月6日に米国科学アカデミー紀要(PNAS)で公開された。
地球の鉄の絶対量は、誕生時に決まっている。鉄含有量だけで議論すれば、水星は鉄が少なすぎて生命誕生は期待できず、火星のように鉄が多すぎても、生命誕生に必要な長い期間、表面に水を保つことが難しかったかもしれないという。地球の鉄の含有量は長期間、水を地表に維持するためには最適な量であったのだ。
地球では地表に水分が長期間維持できたおかげで、その水分に適量の鉄分が溶け込み、生命誕生の適切な環境維持につながった。そこに育まれた原始生命はやがて酸素を生成し、今からおよそ24億年前には、地球上の酸素レベルが上昇し始めた。その結果、海水中に溶け込んだ鉄は酸化され、海底に沈んでいったのである。
酸素量の上昇で海水中の鉄分が激減。生命環境は大きな変化が生じ、生命維持に必要な鉄分を得るために、進化を余儀なくされた。これが単細胞生物の多細胞化をもたらし、より複雑な構造の生命体がどんどん地球上に誕生していった。また数少ない鉄分を多くの生命が有効活用するために、感染、共生などの現象も利用しながら、地球上で生命は命のバトンをつないできたわけである。
このように鉄の存在形態の変化が、生命の進化のきっかけを作り、度重なる偶然の結果、我々人類は誕生したのだという。この研究成果を応用すれば、太陽系外惑星において、鉄の存在形態の進化が起きる可能性を推定すれば、高度な生命体が誕生しているのかどうかも、かなりの精度で予測が出来るとしている。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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