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創業者が「ユニコーン候補企業として、胸を張って堂々と上場する」と言い切るノインとは
販売数20万本を突破した「sopo(ソポ)」。(画像: ノインの発表資料より)[写真拡大]
コスメ(化粧品)に特化したECプラットフォームサイトを展開するノインは、現代表の渡部賢氏により2016年に設立されたユニコーン候補企業。
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渡部氏は創業前にNAVER(現LINE)で、iPhone3GSからスマホアプリの開発に携わった。またグリー時代には、スマホ版GREE NEWSを立ち上げ「数百万人の利用者」を実現した。渡部氏はこう振り返る。
「グリー時代に最後に作ったプロダクト『介護施設検索サイト』が、ノインの原点となっている。介護に疲れた家族が適宜な介護施設に出会えて涙を流し喜んでいる姿に、心を打たれた。人を幸せにするもの以外は作らないと心に決めた」。
渡部氏は何故、起業に際しコスメ領域を選択したのか。「あくまでも、人を幸せにすることが前提。それを自分が興味を持つ領域から探し出すべきだと考えたのが、ファッションかコスメだった」。
ファッションでなくコスメを選択したのは、こんな判断からだった。「コスメ業界は他の市場に比べても規模が大きい。だが規模の割に、データもテクノロジーもあまり入っていなかった。EC化率でみると、当時6%にも満たない状態。この市場なら得意なデータ・テクノロジーを活かしたプロダクトを投入することで、既存のプレイヤーをひっくり返す可能性は十分と判断した」と打ち明ける。
これまでの(メディアを創出してきた)キャリア、かつ深い知見を持ち合わせていた領域ゆえに不安はなかった。認知度の向上にインスタグラムを活用した。創業当時、情報収集が検索からSNSに急傾斜していた。SNSに最適化したコンテンツの発信ができることは認知浸透のスピードを加速させる。
渡部氏も「具体的にはインスタグラムでの情報発信、ユーザーコミュニケーションからノインのECに誘導する流れができていたのが非常に大きかった」とする。
設立5年目。「コスメ業界以外に進出することは全く考えていない。ぜひ上場したい。が、小さい上場は考えていない」とする。
コスメECプラットフォームでは、約800のブランド・約1万7000の商品が扱われている。1年前に比べ250ブランド・1万商品が増えている。海外ブランドも4割近い。伸長の背景は、「人気化・流行が見込める商品を社内で実際に使用し『これだ』と思う商品を提案する枠組みを執っている。他のように人気が出ている商品を提案するというやり方ではない。つまりディスカバリーに重点を置いている」と指摘される。
ノインは蓄積した購買データを活かし、メーカー向けオンライン販売支援にも注力している。昨年11月にファミリーマートが販売を始めた「sopo(ソポ)」など好例。マスクをつけていても映える3種類・12商品の「アイメイク」商品。昨年末には既に販売数は20万本を超えた。
渡部氏は、「21年中には海外事業を立ち上げ成長軌道に乗せ、ユニコーン候補として胸を張って上場する」と言い切った。
とくと展開を見守りたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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