H2Oが関西スーパーを子会社化、関西に巨大スーパーグループ出現

2021年8月31日 16:24

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 小売り大手のエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングと関西地盤の食品スーパー・関西スーパーマーケットは31日、それぞれ取締役会を開き、H2Oが関西スーパーを子会社化して経営統合することを決議した。規模拡大と効率化が狙いで、臨時株主総会を経て2021年度中の実現を目指す。

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 H2Oグループのスーパー・阪急オアシス、イズミヤと関西スーパーの事業を統合し、関西スーパーをH2Oリテイリングの子会社とする。関西スーパーは全事業を新たに設立する関西スーパー100%出資の新事業会社に移行し、阪急オアシス、イズミヤを株式交換で完全子会社化して中間持ち株会社になる。

 H2Oリテイリングは関西スーパーに10%以上を出資する筆頭株主で、2016年から資本業務提携を結んでいるが、これまでポイントの共通化や食肉センターの共同利用など成果が限られていた。経営統合後は商品の共同調達、開発やスケールメリットによる効率化を進める。

 H2Oリテイリングは阪急阪神百貨店を主力として営業してきたが、コロナ禍で2期連続の最終赤字となるなど厳しい経営状態に追い込まれている。このため、7月末に公表した中期経営計画でスーパー事業を第2の柱と位置づけた。

 H2Oリテイリンググループは阪急オアシス、イズミヤ、カナートというスーパーを178店運営し、関西が拠点で150店以上を展開する食品スーパー・万代と業務提携で合意している。これに大阪府と兵庫県を中心に60店以上を展開する関西スーパーを加えることで、関西に巨大スーパーグループが出現することになる。

 関西スーパーの連結売上高は2021年3月期で約1,300億円。阪急オアシスは約1,200億円、イズミヤは約1,400億円あり、3社の売上高を合計すると4,000億円規模のスーパーグループが誕生する。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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