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東武鉄道、企業向けに手回り品輸送サービス 客室スペースを活用
有料で企業や団体が手回り品を列車の客室スペースに持ち込めるようにした(画像は同社発表資料より) [写真拡大]
東武鉄道(東京都墨田区)は8月2日から、手回り品を列車の客室スペースに有料で持ち込めるサービスを開始する。社会貢献や地域活性を目的とした団体や企業を利用対象者としており、第1弾として、直売所で余った農産物を都心で販売するために運ぶ取り組みを行う。
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予め承認を受けた団体や企業が乗車運賃に加えて「有料手回り品料金」を支払えば、無料手回り品以上の荷物を列車客室に持ち込める。有料手回り品の対象となるのは、荷物の3辺の和が250cm以上、総重量が30kg以上、個数が2個以上のいずれかを満たす場合だ。
料金は1回の利用で、持ち込み区間の小児運賃相当額。1カ月以上利用する場合は、小児定期と同額になる。特急を使う場合は、1座席につき区間の小児特急料金と同額を支払えばいい。
はじめての取り組みとして、東松山市の5つの農産物直売所で売れ残った農産物を、東上線の森林公園駅から都心の池袋駅に輸送する。フードシェアリングサービス「TABETE(タベテ)」を運営するコークッキングや東松山市、JA埼玉中央、大東文化大学らと共に実証実験を行い、8月2日から本格運用することにした。
直売所では、閉店後に売れ残った農産物は農家が引き取ることが通例だが、商品価値があるにも関わらず多くが廃棄されてしまうという課題があった。鉄道の余剰スペースを使って低コストで都心部に運び販売することで、食品ロスの削減につなげたい考えだ。
売れる個数が増えれば、直売所で農産物を販売する農業者の収益も向上する。一連のスキームは「TABETEレスキュー直売所」と名付けた。販売する場所は、池袋駅の南口改札券売機前。尚、鉄道の運行状況や農産物の売れ行きによっては、中止する場合もある。
新型コロナウイルスの影響で通勤や外出が減り、鉄道の乗客数も大幅に減少している。これを受けて、鉄道会社では旅客スペースを人の移動以外にも活用できる方法を模索している。今回の取り組みは、鉄道輸送の新たな活用法として実施されることになった。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)
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