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展開が進む、電鉄系介護施設事業の理由
チャーム西宮上ヶ原の外観イメージ。(画像: チャーム・ケア・コーポレーションの発表資料より)[写真拡大]
15日の朝日新聞デジタルが『業績低迷のホテルを高齢者住宅に JR北が帯広駅前で』という見出しで、「JR北海道は14日、JR帯広駅前のビジネスホテルをサ高住につくりかえると発表した・・・新たなサ高住(49戸)は来秋に入居予定。ミサワホーム北海道に一括賃貸し、ミサワが運営する。JR北は札幌を中心に5棟のサ高住を展開している」とする内容を配信した。
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コロナ禍に伴うホテルの営業不振と同時に、利便性が高い駅前にサ高住をつくることで老後も地元に住みたい需要を取り込むためだという。
実は鉄道企業による「高齢者向け施設」建設・運営は、2010年代前半から顕著な動きを見せ始めた。
例えば南海電鉄は、100%子会社:南海ライフリレーションを介し2013年に、阪堺電気軌道の我孫子道駅そばの我孫子道車庫の一角に有料老人ホーム「南海ライフリレーションあびこ道」をオープンした。敷地面積1800平方メートル/居室数90。1人当たりの月額利用料、家賃・食費等込みで15万9000円。
当時南海鉄道の施策は、「沿線の人口減少が進み輸送人員が伸び悩む中での、先々の収益柱を視野に入れた動き」と伝えられた。これを発端に南海電鉄は、沿線での介護事業を相次いで展開している。「居宅介護支援事業所」「訪問介事業所(2カ所)」「訪問看護ステーション(2カ所)」「サ高住」といった具合だ。
ちなみに13年には阪神電鉄も西宮駅近くの高架下に、デイサービス施設「はんしんいきいきデイサービス」を開業し、展開の第1歩を踏み出している。
私鉄ばかりではない。JR西日本(不動産開発)も2012年に阪和線:南田辺駅近くの高架下に、リハビリ専門のデイサービス施設「Jパレット南田辺」を開設。これを発端に例えば20年に2カ所のサ高住を開設。そして今年8月1日には西宮駅近くに介護付き有料老人ホーム「チャーム西宮上ヶ原」の開業を予定している。
いずれも運営はチャーム・ケア・コーポレーション(介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム・サ高住を全国展開。東証1部)が担っている。
関西圏や北海道圏ばかりではない。首都圏でも、各社がやはり「高齢化に伴う乗車員数減少」「所有不動産活用」策として積極的な取り組みを見せている。例えば京王電鉄。
子会社:ウェルシ―ステージが2010年の段階で「アリスタージュ経堂」を開業。7階建て介護付き有料老人ホームで146室(軽介護者向け116、常時介護必要者向け30)。またサ高住「スマイラス聖蹟桜カ丘(53室)」も手掛けている。
沿線地or遊休地を活用した電鉄企業の介護施設事業は、「経営母体の信用度」が武器とも指摘される。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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