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地球生命の起源を明らかにする古代隕石 英ラフバラー大学の研究
46億年前の隕石の電子顕微鏡写真。視野内に複数の球状の鉱物含有物が確認される。(画像: ラフバラー大学の発表資料より)[写真拡大]
2021年2月28日の夜、イギリス・グロスターシャーフィールドの畑の中から、ひとつの隕石が発見された。その後の分析調査によって、この隕石が今から46億年前のものであることが判明し、地球生命の起源を探るカギになるのではないかと、期待が寄せられている。
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イギリス・ラフバラー大学は7月19日、この隕石の研究経過を公開した。この隕石は、発見者である科学者デレク・ロブソン氏の名前にちなみデレク・ロブソン隕石と命名されており、その起源は46億年前までさかのぼる。火星と木星の公転軌道の間に挟まれた小惑星帯から、はるばる1.8億kmも離れた地球に飛来してきたものであるという。
46億年前と言えば、ちょうど地球が誕生した時期に一致する。また地球に飛来する数多くの隕石の中で、デレク・ロブソン隕石と起源を同じくするものは、全体の5%にも満たない珍しい存在だという。
ラフバラー大学の研究者たちは、この隕石の化学組成や結晶構造の分析調査を実施。その結果、太陽系誕生当時に頻繁に起こっていた微惑星同士の激しい衝突をかろうじて免れた存在であることも、判明している。
このことは、激しい衝突に伴う熱変成作用を受けていないことを意味し、太陽系誕生当時に存在していた有機化合物が、熱で分子構造が破壊されずに現在まで保存されている可能性もあるのだ。
またこの隕石は、地球上で過去に採集された他の隕石とは明らかに組成が異なっているという。現時点でこの隕石が含有している有機化合物の特定までには至っていない。だが特定されれば、地球生命の起源となったアミノ酸の原料である化合物が、どんなもので、それがどんな作用を受け、生命誕生に至ったのかが明らかになるかもしれない。
ただし、46億年前に太陽系に存在していた有機化合物が何であったかが解明されたとしても、直ちにDNAの複雑な二重らせん構造がいかにして形成されていったのかまでは、明らかにはならないだろう。だが46億年も昔に存在していた物質が現在まで変わらないで残っていたという事実は、驚愕に値するのではないだろうか。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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