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南鳥島の形成理由は4000万年前の火山活動 東北大らの研究
調査海域周囲の海底地形図。(東北大学の発表資料より)[写真拡大]
東北大学や東京大学らでつくる研究チームは8日、日本最東端の南鳥島が、4000万年前にあった火山の再活動で形成されたとする研究成果を発表した。有人潜水調査船による潜航調査で採取した玄武岩への解析で、判明した。研究チームは今後、火山の再活動が起きた理由などを調査し、形成史の全容解明に努める。
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国土交通省や東京都小笠原村によると、南鳥島は、父島から東南東に1300キロ、硫黄島から東に1100キロの位置する、隆起珊瑚礁の島。太平洋プレートを東西に延びるマーカス・ウェイク海山列に属しており、大陸棚延伸の基点として重要な位置を占めている。
一方で南鳥島は、形成の要因が明らかでないという課題を抱える。形成要因と考えられる同海山列から北方に50キロ離れ、地理的な因果関係が見出せないからだ。2010年に行われた潜航調査で、南鳥島は3種類の火山活動があり、ホットスポット火山に典型的な海山、海洋島の成長過程を示している可能性が示唆されたが、明確な結論には至らなかった。
それでも研究チームは、これまでの研究の蓄積を踏まえ、形成史の解明には、火山活動の痕跡である玄武岩に解明のヒントがあるとわかっていた。そこで今回、海底を覆う珊瑚礁や、珊瑚礁に派生した石灰岩が障壁となり、調査が難しかった玄武岩に焦点を当て、調査に取り組むことにした。
研究チームは、海洋研究開発機構が所有する有人潜水調査船「しんかい6500」を用い、南鳥島付近の水深3400メートルで潜航調査を実施。粘り強い調査の結果、島を作り出す玄武岩の採取に成功した。採取した玄武岩は、希ガス元素のアルゴン同位体の分量に基づき、岩石の年代を測定した。
年代測定の結果、海底調査で得た玄武岩は、4000万年前の火山活動で噴出した岩石だと判明。1億数千万年前に存在していた島付近の海山群とは対照的に、南鳥島の山体は、島付近の海山群の形成から8000万年後の4000万年前に再活動した火山であることも突き止めた。
島付近の海山群は、1億年前の急激な海水面上昇と太平洋プレートの冷却によって水没した火山体であることがわかっており、研究チームは、「南鳥島の形成要因は、4000万年前の火山の再活動にある」と結論づけた。
とはいえ、南鳥島がなぜ、4000万年前に再活動したのかは不明で、研究チームは今後、島付近の海域のさらなる深海調査に取り組む考えだ。研究成果は、1月3日に学術誌「アイスランド アーク」に掲載されている。(記事:小村海・記事一覧を見る)
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