NYの視点:今週の注目:FOMC議事録、12月ISM製造業、各国製造業PMI

2019年12月30日 07:43

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記事提供元:フィスコ


*07:43JST NYの視点:今週の注目:FOMC議事録、12月ISM製造業、各国製造業PMI
今週は年明け、各国の製造業PMIなどの発表が予定されており、貿易の一部不透明感が払しょくし改善が期待される。ただ、全米の製造業活動を示すISM製造業の12月分は11月から改善も依然、5カ月連続で50を割り込み成長の縮小が示される見込み。中国の製造業は11月に続いて50を維持する見通しとなっている。12月ユーロ圏の製造業は速報値から変わらずが予想されており、11カ月連続での50割れが想定されている。

また、米連邦準備制度理事会(FRB)が2019年最後に開催したFOMCの議事録を公表する。世界経済の悪化が一段落したほか、米中貿易交渉の進展で成長見通しが改善したため、FRBはこの会合で政策金利の据え置きを決定。金利は現行で適切との見方でスタッフは予測で2020年を通じて政策金利の据え置きを予想していることも明らかになった。ただ、パウエル議長は労働市場は強いがまだスラックが残っていると慎重な見通しを示したほか、利上げの壁は「非常に高い」との見解で、FRBの次回の行動が依然、利下げに傾斜している可能性を示唆した。

FRBの利下げにも支援され、トランプ大統領就任後の米国株式相場の上昇ペースは歴代大統領下での平均ペースを大きく上回っている。米中貿易問題などで貿易政策に不透明性が広がったもののトランプ政権の企業や中間層を対象とした減税策が奏功し、企業収益が伸びた。各社、余剰資金を利用いて過去最大規模の自社株買いを実施。労働市場もひっ迫し賃金も上昇。消費を支え成長につながった。来年もこの流れが続くと期待されている。ハードルは大統領選挙となる。

■S&P500種指数:トランプ大統領就任後50%高(平均的な3年間のリターン23%)

大統領のサイクルでのS&P500種指数のリターン

平均   トランプ大統領
1年目:5.7%    56.5%
2年目:4.5%    56.5%
3年目:12.8%    81.8%
4年目:5.7%    72.7%

任期平均:7.1%    66.7%

■今週の主な注目イベント

●米国
12月
30日:12月シカゴ購買部協会景気指数(予想:48.0、11月:46.3)
米・11月中古住宅販売成約指数
(前月比予想:+1.5%、
10月:-1.7米・12月ダラス連銀製造業活動指数
(予想:0.0、11月:-1.3)
31日:10月FHFA住宅価格指数:予想前月比+0.4%(9月+0.6%)、
10月S&P価格指数:前月比+0.3%(9月+0.36%)、
12月消費者信頼感指数:予想128(11月125.5)

1月
3日:FOMC議事録公表、12月ISM製造業:予想49.0(11月48.1)
エバンス・シカゴ連銀総裁がイエレン前FRB議長とともに討論会参加、
ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事が講演、
カプラン米ダラス連銀総裁、
デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が世界経済見通しを協議する討論会に参加

●中国
1月
1日:習国家主席が新年のあいさつ、12月製造業PMI:予想50.1(11月50.2)、
非製造業PMI:予想54.2(11月54.4)、総合PMI:予想50.1(11月50.2)
2日:12月財新PMI製造業:予想51.6(11月51.8)

●ユーロ圏
1月
2日:12月マークイット製造業PMI確定:予想45.9(速報45.9)

●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
シリア
イエメン
香港《CS》

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