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DNP、AIで印刷物の校正・校閲を省力化へ 13社と合同検証
AIを使った校正・校閲のイメージ(図:大日本印刷の発表資料より)[写真拡大]
印刷大手の大日本印刷(東京都新宿区、DNP)は27日、AIを使った印刷物の校正・校閲作業の省力化に向け、企業13社とともに合同検証を行うと発表した。商品パッケージに印刷される原材料表示や企業ロゴのチェックをAIが行うことで、これまで人の目が頼りだった作業を効率化しようという試みで、2020年春の実用化を目指す。
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商品パッケージなどの印刷物は、法律で表示が義務づけられている事項や商品の成分・原材料などが正しく表示されていることが必要で、企業や商品へのイメージに対する影響も大きいため、小さなミスも許されない。しかし表示ルールは業界ごとに異なり、企業独自のルールもあるため、機械化や自動化も難しかった。
このため校正・校閲作業は、いまだに人の目が頼りで、しかも何重ものチェックをするため多くの人員が必要となっている。しかも商品の多様化によって、多種多様のパッケージが製作されるようになり、作業量も増加する一方となっている。
こうした状況の中、AIを使って校正・校閲作業の効率化を図り、担当者の負担軽減を図ろうと、DNPはアサヒビールやキリンビール、日清食品、ライオンなど企業13社と合同で検証を行い、技術の実用化を目指すことになった。
具体的には、商品パッケージに印刷されたデザインや表、文字などを読み込み、AIがあらかじめ入力していた原稿情報と照合。違う部分があれば、該当部分をアラート表示する。人はAIが指摘した部分だけを確認すればよく、大幅に作業を省略できるとしている。
合同検証では、各企業で製作されているさまざまな印刷物を使って、AIが正しく認識できるかを確認。文字認識の精度の飛躍的な向上を図る。同社では検証の成果をもとに、商品パッケージ向け校正・校閲サービスを2020年春にも実用化。現在、人が行っている校正・校閲作業の負担を約7割削減することを目指している。
今後は、さらに幅広い分野で業界や企業のルールをAIに学習させ、ポスターや保険募集資料、契約書なども校正・校閲する「広告物向け校正・校閲サービス」の開発を進めるという。
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