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iFixit、Samsungの要請を受けGalaxy Fold分解リポートを公開中止
iFixitは4月25日、Samsungの要請によりGalaxy Fold分解リポートを公開中止した(iFixit.orgのブログ記事、The Vergeの記事、BetaNewsの記事、SlashGearの記事)。
Galaxy Foldは試用機でのメインディスプレイ破損が報告されて発売を延期したが、iFixitの分解リポートでは破損の原因とみられるいくつかのポイントを指摘していた。まず、ディスプレイを折り曲げるためベゼルに開けられている隙間から異物が侵入しやすく、ヒンジ部分に異物の侵入を防ぐ仕組みもない点が挙げられる。そのため、異物が侵入した場合に壊れやすいディスプレイに負荷がかかることになる。また、Samsungがディスプレイ保護層だと説明する粘着シートの端がベゼルで覆われていないため、通常は使い始める前にはがす保護シートに見えるという。この保護層がなくてもディスプレイは正常に機能する可能性もあるが、粘着力が強いため、はがそうとすればディスプレイが破損するとのこと。
このほか、ヒンジが20万回以上の折り曲げテストに耐えたというSamsungの説明に疑問の余地はないものの、人の手はテスト用のロボットほど優しく扱わない可能性も指摘している。修理しやすさスコアは10点満点中2点。すべてのネジを同じドライバーで回せることと、多くのコンポーネントがモジュラー化されていて個別に交換できることがプラス評価されていた。一方、折りたたみ機構がいずれ摩耗して交換が必要になること、メインディスプレイは保護する仕組みがなく、壊れやすいため修理が高額になること、バッテリー交換は可能だが必要以上に困難なこと、折りたたんだ状態で全面と背面にあたる部分はガラス製で破損リスクが高く、修理開始を困難にしていることがマイナス評価されている。
分解したGalaxy Foldは信頼できるパートナーから提供されたもので、Samsungはこのパートナーを通じてiFixitにリポートの公開中止を依頼してきたそうだ。iFixitにリポートの公開を中止する義務はないものの、デバイスの修理しやすさを改善する活動の盟友であるパートナーを尊重して公開中止を決めたという。iFixitでは今後、製品が発売されたら改めて購入して分解し、リポートを公開する計画とのことだ。なお、分解リポートのほか、iFixit.orgのブログでリポートのハイライトをまとめた記事と分解後の写真を使用した壁紙の記事も削除されている。ただし、Internet Archiveのスナップショットで分解リポートとリポートのハイライトは閲覧可能だ。破損の原因を考察したブログ記事はそのまま公開されている。
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