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京大ら、太陽光に眠る新たな再生可能エネ抽出 赤外域の太陽光から水素生成
赤外線応答光触媒活性(写真:京大の発表資料より)[写真拡大]
京都大学、関西学院大学、立命館大学、物質・材料研究機構(NIMS)は4日、白金を担持した硫化銅/硫化カドミウムヘテロ構造ナノ粒子が、外部量子効率3.8%という世界最高の効率で赤外光から水素を生成できる光触媒であることを発見したと発表した。
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昨年12月、COP24(国連気候変動枠組条約第24回締約国会議)にて、締約国がパリ協定実施に向けた具体的な方策に合意。それは、数日間に亘る徹夜の作業に加えて、最終全体会合は10回以上延期されるといった忍耐強さの賜物であった。
パリ協定とは、地球温暖化を産業革命以前と比べて2度未満に抑え、21世紀後半に温室効果ガスをゼロにする野心的な目標だ。目標達成に向けた具体的な方策のキーワードは、温室効果ガスを排出しない太陽光・風力・地熱・水力などの再生可能エネルギーだ。
経産省の資源エネルギー庁によれば、日本の温室効果ガスの排出量は2016年度に13億2200万トン。温室効果ガスの内訳は、CO2が11億4400万トン。その内で電力分CO2は5億500万トンだ。一方、エネルギー自給率は8.4%、化石燃料依存度はなんと83%にも及ぶ。
政府は、2030年度には再生可能エネルギー比率を22~24%とする目標を掲げる。
今回の発表は、全太陽エネルギーのおよそ半分を占める赤外域の太陽光のほぼすべてにおいて、光触媒を介して水素を生成することに成功。新たな光触媒の発見により、眠れる太陽光エネルギーを再生可能エネルギー(水素)へ変換した。
本研究成果は、2018年12月18日に、国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に掲載されている。
●眠れる太陽エネルギー赤外光から水素生成
現行の太陽光利用技術は可視光が対象。植物の光合成と競合する自然のエネルギー生産システムだ。他方、赤外光は全太陽エネルギーのおよそ半分を占める眠れるエネルギーだ。
白金を担持した硫化銅/硫化カドミウムヘテロ構造ナノ粒子を光触媒として、水素を生成。赤外光である波長1100 ナノメートル(10億分の1メートル)では、外部量子効率3.8%という世界最高の効率を達成した。加えて、水地表に到達する太陽光の最大波長である2500ナノメートルの赤外光でも水素の生成を確認。
赤外域の太陽光の有効利用法の開発は、光合成や太陽発電などに匹敵する新たなエネルギー資源の開発に拍車をかけるであろう。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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