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三菱電機、レーダーにより津波規模を高精度に把握 迅速な避難を支援
レーダーによる津波多波面検出例(写真:三菱電機の発表資料より)[写真拡大]
三菱電機は25日、レーダーによる津波監視支援技術を高度化し、海表面の流速のレーダー観測により、連続して到来する津波の波面検知と、水位推定を実現するレーダーによる津波多波面検出技術を開発したと発表した。
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2011年3月11日に発生した東日本大震災は、死者・行方不明者を合わせて約2万名という甚大な被害を生んだ。太平洋沖地震に伴う巨大な津波は、この甚大な被害を拡大する一方で、原発をも直撃。復旧は今も続く長期戦だ。日本は、四方を海に囲まれた大陸プレート上に浮かぶ島国だ。地震発生は、大陸プレートとその下に沈み込む海洋プレートの境界で起きる。沈み込むプレートに引きずられて生じたひずみを解消する働きが主な原因である。
津波発生と伝搬のしくみは、気象庁のホームページで詳しく解説。要約すると、海底下で大きな地震が発生すると、ひずみを解消すべく海底が隆起・沈降。伴い海面も隆起・沈降し、界面の変動が波になって四方へ伝搬する。津波は、海が深いほど早く伝搬する性質を持つ。沖合の水深5千メートルでは時速800キロメートルとジェット機並みの速度であり、湾岸に近づくにつれ津波は減速。水深10メートルでは、時速36キロメートルとなる。伴い、後から押し寄せた波が重なり合い、波の高さは20倍以上になる。
時速36キロメートルは、100メートルを10秒で駆ける速度だ。そして、沖合で数メートルの波の高さは20倍にもなる。津波の避難では、津波警報とともに速やかに高い場所へと移動することが重要といわれる所以である。
今回の発表は、2017年にグッドデザイン賞を受賞した「津波監視用海洋レーダー」を改良する津波多波面検出技術の開発だ。2025年の実用化を目指す。
●津波多波面検出技術の特長
50キロメートル遠方の流速から定常流を除去し、津波を見える化。加えて、連続して到来する津波の波面を検出することで、進行方向を特定する。
津波の進行方向に基づく水位推定から、津波の規模をより正確に把握することが可能だ。津波の方程式から得られる水位推定誤差は、50センチメートル以内という。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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