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関電ら、バーチャルパワープラント実証実験 蓄電池で再生エネの拡大なるか
関西電力、エリーパワー、三社電機製作所は17日、効率的なエネルギー基盤の構築を目指し、「バーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業」の枠組みにおいて、家庭用蓄電池を活用した電力系統の安定化に活用する取組みを開始すると発表した。
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東日本大震災に伴う電力需給のひっ迫を契機に経産省は、省エネの強化に加えて、電力の供給バランスを意識したエネルギー管理の重要性を打ち出した。この解決策の一つの方向性がVPPだ。
大規模電源には、火力発電、原子力発電、水力発電に加えて、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入が進む。それでも、再生可能エネルギーに大きく舵を切れない理由は、天候に応じて発電量が左右され、供給量を制御できないことだ。
他方、燃料電池や蓄電池の技術開発は大きく前進し、家庭や産業へと普及。例えばエリーパワーは11月26日、不燃性電解液のリチウムイオン電池を開発したと発表。消防法で規制対象となっている可燃性電解液の総量が200リッター制限を回避、建物内への大規模蓄電池設備の設置が加速される。
●VPP構築事業とは
電力系統に点在する家庭用蓄電池や産業用蓄電池をIoT化して一括制御。蓄電池の需給調整能力を有効活用し、あたかも1つの発電所のように機能させる仕組みだ。蓄電池を束ねて新たに調整力として活用する試みは、国内初という。
経産省の「平成30年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」を活用した実証事業となる。
●VPPの特長
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、全発電に占める比率が大きくなると周波数調整力が不足することが課題のひとつだ。現在は、電力系統の周波数を一定(50ヘルツ/60ヘルツ)に保つために、主に火力発電および水力発電が周波数調整力を供給しているが、蓄電池を周波数調整力として活用する。
関西電力の実証実験には、NEC、エリーパワー、三社電機が協力する。NECは、蓄電池を一括制御するためのシステム「K-LIBRA」を提供。三社電機が開発した産業用蓄電池とエリーパワーが開発した家庭用蓄電池を連携。これら蓄電池を遠隔から秒単位で充放電制御。
他方、東京電力と東芝は同日、蓄電池をIoTで制御するバーチャルパワープラント運用サービスを開始すると発表した。蓄電池は東芝のSCiBを採用。
VPPの普及の末に、再生可能エネルギー活用の拡大を願う。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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