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第2の地球を発見するためのカメラ「MuSCAT2」完成 国立天文台
スペイン・テイデ観測所に設置されたMuSCAT2 (c) Astrobiology Center[写真拡大]
国立天文台は17日、第2の地球を発見するためのカメラ「MuSCAT2(マスカット2)」を開発し、スペインのカルロス・サンチェス望遠鏡に設置したことを報告した。
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国立天文台のほかにMuSCAT2の開発に参加したのは、アストロバイオロジーセンター、東京大学、科学技術振興機構、カナリア天体物理研究所などだ。世界有数の天文観測最適地として知られるスペインのテネリフェ島のテイデ観測所にある望遠鏡に、MuSCAT2は設置された。
■岡山でも運用される「多色同時撮像カメラ」
MuSCAT2は、太陽以外の恒星を公転する、太陽系外惑星の発見や確認に特化したカメラだ。MusCAT2は、可視光線から近赤外線にかけての4色で同時に天体の明るさの変化を観測できる「多色同時撮像カメラ」に属する。MuSCAT2のような多色同時撮像カメラは、国立天文台が運営する岡山天体物理観測所の反射望遠鏡用にも設置されている。
MuSCAT2が設置されたテイデ観測所は、日本と時差が9時間離れている。時差のある場所に設置することで、お互いが観測できない時間帯に起きる現象を相補的に観測したり、長時間続く現象を継続的に観測するのに複数の多色同時撮像カメラが役立つという。
■太陽系外惑星と恒星との区別がつく高精度カメラ
太陽系外惑星の探査には、米航空宇宙局(NASA)が運営したケプラー宇宙望遠鏡等がこれまで使用されてきた。11月まで運営されたケプラー宇宙望遠鏡は、これまで約3,000個の太陽系外惑星を発見した。ところが個々の惑星の性質を詳しく調査するのに、ケプラーからの観測では不十分であるという。
4月に打ち上げられた惑星探査衛星TESSもまたケプラー宇宙望遠鏡同様、惑星が主星の前を通り過ぎる「トランジット」という現象を用いて、太陽系近傍の系外惑星探査を行っている。しかし、トランジットによる太陽系外惑星の探査では、恒星が別の恒星を通過する「食連星」との区別がつかないという。
MuSCAT2では、食連星と太陽系外惑星との区別がつくよう、世界最高レベルの測光精度を達成できる。これにより、TESSで発見された太陽系近傍の赤色矮星を公転するハビタブルゾーンをもつ系外惑星の発見や確認を行えるという。
研究グループは今後、米望遠鏡向けにMuSCAT3の開発に着手するとしている。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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