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米惑星探査機オシリス・レックスが小惑星ベンヌから水の成分を発見
オシリス・レックスによって2日に撮影された小惑星ベンヌ(c) NASA/Goddard/University of Arizona[写真拡大]
米航空宇宙局(NASA)は11日、宇宙探査機オシリス・レックスが、小惑星ベンヌに存在する粘土鉱石の内部から水の成分を検出したと報告した。
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■はやぶさ同様小惑星を探査するオシリス・レックス
NASAが2016年9月にゴダード宇宙飛行センターから打ち上げた宇宙探査機が、オシリス・レックスだ。その小惑星探査は、NASAによる惑星探査プロジェクト「ニュー・フロンティア計画」の一環である。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施する小惑星探査機はやぶさと類似のミッションを遂行することから、オシリス・レックスは「米国版はやぶさ」とも呼ばれる。
オシリス・レックスが探査する小惑星ベンヌは、地球の軌道をすっぽり覆う軌道をもつ小惑星のグループ「アポロ群」の1つに数えられる。1999年にNASA等が運営するプロジェクト、リンカーン地球近傍小惑星探査(LINEAR)によって発見されたベンヌのほかにも、地球近傍小惑星には、はやぶさが2005年に探査した「イトカワ」等が存在する。
■3日に小惑星ベンヌに到達したばかり
オシリス・レックスは8月中旬から12月初旬にかけて、地球から220万キロメートル離れたベンヌまでの航行を続けた。3日にはベンヌから19キロメートルの距離に到達し、分光器等でベンヌの観測を開始した。
その結果、粘土質の鉱石から酸素や水素といった原子を含む「ヒドロキシル」と呼ばれる分子の存在が明らかになった。これは、ベンヌに存在する岩石に含まれる物質と水とが相互作用したことを意味する。ベンヌ自体は液体が存在するには小さすぎるが、ベンヌを作り出した元の小惑星では液体がかつて存在したことが、今回の発見によって示唆される。
「水を含む鉱石が見つかったことで、太陽系形成の初期段階からの残滓であるベンヌが本ミッションで計画された揮発性有機化合物の研究にとって優れた標本であることが明らかになった」と、NASAゴダード宇宙飛行センターのエイミー・サイモン氏は語る。
太陽系の歴史や進化を研究するにあたり、ベンヌから採取される鉱石の標本は貴重な資料となるだろう。オシリス・レックスは2023年に地球に帰還する予定だ。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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