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脊椎動物の「頭」はどうやって進化した? 筑波大学の研究
脊椎動物とホヤの神経板境界領域の模式図。(画像:筑波大学発表資料より)[写真拡大]
筑波大学と米国・プリンストン大学の共同研究グループは、脊椎動物の頭部感覚器を生み出す頭部プラコード、神経堤細胞の進化的な起源とその発生プログラムを明らかにし、ホヤから脊椎動物へと至るその進化の一端を解明した。
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頭部がある、というのは脊椎動物の重大な特徴の一つである。生命は最初から頭部を持った姿で存在していたわけではないし頭部とそれ以外の部位の区別のない生物も珍しいわけではない。
頭部の総体、つまり頭部感覚器は、神経板と表皮の境界領域(神経板境界領域)から生じる頭部プラコードと、神経堤細胞から作られる。
当然のことながら、派生過程において、頭部プラコード、神経堤細胞が形成される区画は、それぞれで特異的な発現遺伝子によって明確に決定されている。
ならばそれらの遺伝子は脊椎動物に特有のものであるだろうか。長い間、生物学の世界でもそう信じられてきた。しかし近年、原始的な脊索動物であるホヤにおいても、頭部プラコードと神経堤細胞の原始的な性質を備えた感覚細胞が存在することが発見されたのである。
研究グループは、哺乳類にある頭部をつくる遺伝子と、ホヤにあるそれに似た構造をつくる遺伝子について詳細な比較を行った。
それぞれの遺伝子のパターンは、非常に似ていた。また、分化する感覚神経細胞などの位置についても、対応関係が存在していることが明らかになった。
総合的な結果としては、脊椎動物の祖先とホヤの祖先が共通して持っていた頭部プラコードと神経堤細胞は、それぞれの生物群に進化的に派生した可能性が高いと見られるという。
以上、今回の研究は、脊椎動物の頭部の起源が、少なくともホヤまでさかのぼれるという研究であった。研究の詳細は、Natureに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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