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太平洋のプラスチックゴミ、従来の推定より最大16倍も 魚への汚染を懸念
太平洋に堆積しているプラスチックゴミが、過去の調査で指摘されていたものより、最大で16倍も多いと、国際的な研究チームの調査によって発表された。
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研究チームによると、ハワイとカルフォニアの中間に位置するグレートパシフィックゴミパッチ(太平洋ゴミベルト・GPGP)に堆積しているゴミの量を上空と海上から調査した。
GPGPは、海洋に投棄されたゴミが流れ着く場所で、その中でプラスチックゴミの堆積量が最大であるとされている海域である。
従来の調査では、収集用ネットによって堆積物を収集するという方法が用いられてきたが、それでは収集用のネットのサイズなどによってばらつきが出てしまうため、データの正確性に問題が生じていた。
しかし今回は、堆積物の収集に船舶を30隻、さらに海洋ゴミの状況を立体化する高性能なセンサーを積んだ飛行機を2機使い、徹底的な調査を行った。
収集したプラスチックゴミのサンプルの数は120本以上、空からの調査は300km2に及び、調査期間も3年を費やしている。
その結果、GPGPに堆積されているプラスチックゴミの量はkm2あたり10kg以上と判明。これはフランスの国土の3倍にあたる、約160万km2に相当。堆積されているプラスチックゴミの量は約1兆8000億個、重さにして約8万トン。これはジャンボジェット機500機の重さであり、過去の調査で推定されていた堆積量の4~16倍である。
しかもプラスチックゴミの汚染範囲は、今も拡大し続けているという。
プラスチックゴミの多くは50mm以下の微少なプラスチック片であり、魚がのみ込むと食物連鎖の中に入り込んでしまう。食物連鎖の頂点にいくほど汚染の度合いは高くなり、太平洋を回遊する魚を捕って食べている日本にも関係がないとは言い切れない問題である。
「問題を解決するには、まずはそれを理解することが不可欠であり、今回の調査結果は、プラスチックゴミを回収するための方法を模索するための重要なデータとなるだろう。また、プラスチックゴミが時間の経過によってさらに細かく砕かれると10倍以上に増加するという実験結果もあるので、今すぐにでも対策が必要である」
海洋浄化基金(Ocean Cleanup Foundation)の創設者であるボストン・スラット氏と共同研究者たちは、調査報告の中でプラスチックゴミ問題の緊急性を強調している。(記事:和田光生・記事一覧を見る)
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