多くの実が付く枝豆の新品種「とびきり」、サカタのタネより発売

2018年3月25日 10:50

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枝豆「とびきり」。(画像:サカタのタネ発表資料より)

枝豆「とびきり」。(画像:サカタのタネ発表資料より)[写真拡大]

 サカタのタネは、収量性が極めて高い新しい枝豆の品種「とびきり」の種子を、26日から発売する。

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 味の面でも爽やかで飽きの来ない優れた品種であるが、特筆すべきは栽培のしやすさと、そしてなにより3粒莢の割合が高さ、収量の多さである。

 暑さに強い品種であるので、高温の条件下でも安定して莢(さや)がつく。シイナと呼ばれる、未熟な実がつく莢が生じる割合も少ない。

 ところで枝豆は大豆と同じものであるというのは有名な話だ。同じものであるのだが、栽培の実際を見ると、枝豆用の品種は枝豆用の品種として独自に改良されているものがほとんどで、成熟した大豆を採るための大豆とは別のものとして進化していっているというのが実態である。

 「とびきり」の特徴であるが、節の数が多く、しかも一節につく莢の数が多く、その上さらに株の上部まで莢がしっかりとつく。それが高収量性の秘密である。

 実地での試作は当然既に行われているが、収量性への評価が高く、農家の収益向上を見込むことができるという。

 価格は種子1デシリットル入りが希望小売価格税抜で450円、一リットル入りが同じく4,070円。販売ルートは、全国の種苗店、JAなど。

 栽培適期であるが、寒冷地ではハウスで4月から、露地では8月末くらいまで。温暖な地域では、トンネル栽培で3月の終わり頃から、露地もので9月の頭くらいまでとのことである。

 また、枝豆の生産は収穫・調整ともに機械化が進んでいるのだが、機械作業に適した品種かどうか、というのも評価の重要な基準になる。そこで「とびきり」はどうかということだが、試作の結果としては高い評価を受けているという。

 なや、「とびきり」は第67回全日本野菜品種審査会において、1等特別賞および農林水産大臣賞を受賞している。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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