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ニチレイフーズと近大、人工知能を使用した原料選別技術を共同開発
ニチレイグループのニチレイフーズと近畿大学は21日、ニチレイフーズの工場で使用する原料を人工知能(AI)で選別する技術を共同で開発したと発表した。
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今回開発した技術では、まず、照明、撮影、画像処理技術を組み合わせて原料を撮影。その画像の夾雑物部分(通常食用としない部位)を独自技術で強調し、強調部分を特殊な方法で数値情報に置き換える。その数値情報と、事前に学習させた大量のデータとをマッチングさせることにより、従来比で夾雑物除去率を約1.5倍、処理スピードを約4倍に高めた。また、原料はもちろん、製造工程内および完成品での検査にもこの技術を応用できる。
ニチレイフーズでは、今回共同開発した技術を導入することにより、商品に使用する原料の品質保証力が向上することに加え、生産性の向上や労働環境の改善、人手不足への対応、環境負荷の低減など、多くの効果が期待できるとしている。
原料の選別に関しては、これまで作業者の経験に頼っていた部分を機械化できるため、安定した検査を行える汎用性に優れており、ニチレイフーズでは、将来的に、同技術の外部販売も視野に入れていくことにしている。
ニチレイフーズではこれまで、原料の受け入れ時に金属探知、X線、近赤外線、光学・色彩などの選別技術を活用して原料の品質保持や管理を行ってきた。しかし、不定形な原料や混入している夾雑物の位置や角度などにより、判別の精度が下がるため、選別後に人手や目視による検品が必要になることも多いのが実情であった。とくに、鶏肉原料選別では、「硬骨」「羽根」「血合い」をいかに取り除くかがポイントとなっており、それらを選別し取り除くためには、作業者の負担が大きく、人手や目視だけでは判別しづらい検査もあったことが課題だった。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)
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