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草津白根山噴火 噴火物にマグマ含まれず、水蒸気噴火か?
1月23日に発生した群馬県草津白根山の噴火について、気象庁は、噴出物に地下のマグマが含まれておらず水蒸気噴火の可能性が高いと発表した。
噴火物の観察は、防災科学技術研究所・火山研究推進センターと産業技術総合研究所が共同で行った。
噴火物は気象庁により採取されたもので、白根山・鏡池北火砕丘から北東約500mのところに設置してあるゴンドラの座席に堆積していたものだという。
採取された噴火物の約8割が山体を構成する物質であり、マグマに含まれる物質は1割ほどしか存在しなかった。残りの約1割は結晶片である。噴出物の大半が既存の山体を構成物だったことを考慮し、水蒸気噴火の可能性が極めて高いと結論づけたのである。
マグマに含まれる物質が1割存在しているのも事実なので、この点については、今後の検討が必要だとも述べている。
また草津白根火山の火山活動を調査している東京工業大・草津白根火山観測所のデータによれば、1800年代に入ってから、白根山山頂の湯釜火口を中心に水蒸気爆発を繰り返しているという。最近の30年間でも、湯釜火口およびその周辺で合計8回、噴火が発生している。
今回の噴火についても、噴火直後に東京工業大・草津白根火山観測所の野上健治教授が調査に入っている。野上教授は津町役場での記者会見を行い「マグマが上がってきたわけではなく、マグマから分離した高温のガスによって地下水が熱せられたことによる、水蒸気噴火である」との見解を示している。
山腹の様子を調査した野上教授によると、噴火後、約2時間の時点で、高さ約10メートルの噴煙が上がっているのを少なくとも2カ所、見ることができたという。
今後、マグマが噴出するような、さらに被害が大きくなるような大規模の噴火が発生する危険性については「現時点でその兆候はないが、噴火を繰り返す中で次第に変わっていく可能性はある」と気象庁火山活動評価解析官が述べている。24日の午前10時台、午後2時台にそれぞれ2回ずつ、火山性微動が観測されており、予断の許されない状態が続いている。(記事:和田光生・記事一覧を見る)
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