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昭和シェル石油、バイオマス原料から液体燃料の製造に成功
今回開発したバイオマス燃料の触媒の一つ。(写真: 昭和シェル石油の発表資料より)[写真拡大]
昭和シェル石油は7日、東北大学大学院工学研究科冨重圭一教授の研究グループとの共同研究により、バイオマス原料からガソリン基材として利用可能なヘキセンの生産に成功したと発表した。このバイオマス原料は、食糧と競合しない草木系および木質系バイオマス原料であり、地球環境に負荷を与えず、温暖化対策への貢献が期待される。同社では、ヘキセンの生産技術を2025年までに確立する意向である。ヘキセンはジェット燃料相当の炭化水素に変換可能なことから、ジェット燃料の製造にも展開していきたいとしている。
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バイオマス燃料は、大気中の二酸化炭素に増減を与えない、カーボンニュートラルの燃料として、世界的に注目されている。昭和シェル石油は、エネルギー会社として、地球環境に負荷を与えず、しかも食糧と競合しない次世代バイオマス燃料製造のための触媒開発に取り組んできた。この取組は、東北大学と共同で進められた。
具体的には、食糧と競合しないバイオマス由来のセルロースもしくはそれらを糖化・水素化処理して得られるソルビトールを原料として、東北大学が開発した触媒や同大学との共同研究により開発した触媒を用いて、ヘキサノールを製造する技術開発である。このヘキサノールを、触媒を用いて脱水反応させることにより、ガソリン基材として利用可能なヘキセンを得ることができる。
共同研究により開発した触媒は、原料のソルビトールから直接水素を取り出して利用可能である。そのため、この水素を一部利用することにより、天然ガスなどの化石燃料から製造される温室効果ガス排出量の多い水素の使用量を減らすことができるとされている。同社では、そうした技術により、従来の石油由来のガソリンに対して、温室効果ガス削減効果の高いバイオ燃料の研究開発にも取り組んでいく方針である。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)
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