パナソニック、過酷環境に対応のタブレットにセンシング搭載 作業を迅速化

2017年10月3日 06:07

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変電設備の発熱異常検知の画像(写真:パナソニック発表資料より)

変電設備の発熱異常検知の画像(写真:パナソニック発表資料より)[写真拡大]

  • 頑丈タブレット外観(写真:パナソニック発表資料より)
  • 立体物の計測例(写真:パナソニック発表資料より)

 パナソニックは2日、空間採寸センサーと温度センサーを搭載した頑丈タブレットを開発したと発表した。

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 頑丈タブレット「タフパッドFZ-M1」をベースに、2種類のセンシングソリューション(空間採寸センシング、温度センシング)を搭載。現場で手軽に使え、作業の迅速化を可能にする端末として、2018年春に商品化する。

 頑丈タブレットは、現場の様々なニーズに対応するように機能拡張ボードを内蔵し、ニーズの多い機能はカスタマイズにも対応してきた。今回のセンシング機能の搭載は、その一環であろう。

●過酷な現場に耐える頑丈タブレット

 過酷な現場での要求は、耐衝撃性能、耐振動性能、防塵・防滴性能、耐環境性能、過酷環境での操作性といった厳しいものだ。これは一朝一夕ではまねできない技術であろう。パソコン市場が低迷する中で、昨年40万台を販売したグローバルニッチ商品だ。

 タブレットは、運搬中の落下で壊れることは多いが、150センチメートルの耐落下性能を持つ。緩衝材は一次衝撃だけでなく、緩衝材自体の二次振動も対応する。

 クルマでの移動が多い欧米では、助手席にノートPCを無造作に放り出して長距離を移動する。クルマの振動は不規則かつ持続的であり、タブレットは、MIL-STD-810G(米国防総省の性能試験)に準じた振動試験で車載に対応する。

 塵埃や雨への対応はIP65準拠の防塵(粉塵が中に入らない)・防滴性能(あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない)を持つ。各種ポートやジャックなどの開口部を全てカバーで覆い対応する。

 一般的なパソコンでは故障するような劣悪な環境、-10度から50度に対応する。これにより、灼熱の砂漠地帯から寒冷地までの活用を可能にした。

●空間採寸センシングの特長

 インテル製の3Dカメラ技術「RealSense」を使用して、0.4から10メートルにある対象物を撮影すると、わずかな時間で対象物までの距離を計測する。これにより、近づきにくい場所にあるひび割れや劣化具合、また荷物の大きさを計測。距離は、左右のカメラで取得した画像の視差から導き出す。道路・土木現場や物流の現場の声を反映したものであろう。

●温度センシングの特長

 FLIR System社の赤外線サーモグラフィカメラを採用し、温度をセンシングする。対象物が発する遠赤外線を測定し、-10度~450度の範囲で温度を解析する。近づきにくい場所や、外観からは発熱がわかりにくい対象の温度を測定し、電気機器・設備の異常発見につなげる。電力・鉄道業界向けであり、現場での作業の迅速化を可能にする。

●空間・温度センシング(パナソニック、頑丈タブレット)のテクノロジー

 温度と距離の2つを過酷な環境で動作するタブレットに搭載しているのが、一朝一夕で真似できない技術であろう。

 センシングとタブレットが一体化していることは、作業の効率をあげるだろう。例えば、異常個所の温度や距離などの測定データを、加工することなく、責任者に送信し判断を仰ぐことができる。このような、小さな手間の削減とデータの共有は、現場での迅速な対応につながる。

 最後に、温度測定と距離測定は、各々特許を出願中という。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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