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ヤマハの外国人向け自動翻訳「おもてなしガイド」、新幹線でも実証実験
新幹線車内実証試験イメージ(写真、発表資料より)[写真拡大]
2日、ヤマハとJR東海は、無料で日本語アナウンスの内容を任意の言語に翻訳しスマートフォンに表示するアプリ「おもてなしガイド」の実証実験を、1年間の駅構内での実施に加えて、新幹線車内でも開始すると発表した。訪日外国人に対して自国語への翻訳提供の充実を目指し、サービスの有用性について引き続き検証するという。
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日本政府観光局の発表によれば、2017年上半期(1 月~6月)の訪日外国人は、前年同期比17.4%増の1,375万7千人であり、毎年増加傾向である。そのような状況で、民泊、爆買いなどは大きな話題となっているが、おもてなしをキーワードとした話題は、東京オリンピック誘致以降少ないようである。そのような中で、おもてなしを冠とした無料の「おもてなしガイド」は、訪日外国人や聴覚障害者に有用なアプリであり、公共の場で活動する企業が連携し、実証試験を行っていることは、素晴らしいことである。「利益よりも良いサービスを提供するのが先」という宅急便の先駆者、小倉昌男の名言にも通じるのであろう。
●ヤマハの「おもてなしガイド」とは
ヤマハの「おもてなしガイド」は、言語や聴力の壁を超えて、誰もがアナウンスの内容を理解することができる音のユニバーサルデザインである。導入施設では、対応するアプリを起動して、流れてくるアナウンスをスマートフォンのマイクで拾うだけで、その内容を任意の言語に翻訳された文字で確認することができる。インターネット接続は不要である。
国内の空港、鉄道、バス、商業施設、観光施設、自治体などと連携し、実証実験を重ねている。専用のOMOTENASHIGUIDEのウェブには、主要な38施設が公開されている。また、様々な放送機材関連メーカーとの連携も進め「おもてなしガイド」対応機器の共同開発にも注力しているという。
ヤマハは7月25日には、「おもてなしガイド」受信SDK(アプリ開発用キット)を無償提供すると発表した。アプリ提供事業者とも積極的に連携し、訪日外国人、聴覚障害者の利便性のさらなる向上を目指すという。
●新幹線内での実証実験内容
新幹線内での実証実験では、高速で走行する列車内で、システムの安定性や音声認識の正確性などの技術的な課題を確認するという。対象言語は、7カ国8言語(日本語、英語、中国語(繁体・簡体)、韓国語、タイ語、フランス語、スペイン語)であり、N700系の2編成での自動放送と、一部の列車内での車掌の肉声放送とを対象にした実証試験だという。なお、試験は2018年2月頃まで実施予定という。
多くの外国人が来日すると予想される東京オリンピック、言葉の壁を超えるスポーツの祭典での、言葉の壁を超えるおもてなしを実現しよう。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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