関連記事
日本工営、英ウェストミンスター宮殿の大改修事業を受託
ウェストミンスター宮殿。中央はビッグ・ベン、手前はテムズ川である。[写真拡大]
日本工営は、同社の英国子会社BDPが英国・ロンドンにあるウェストミンスター宮殿の大改修事業の建築設計業務を、アメリカのコスト管理会社CH2Mと共同で受託したと発表した。本年度に支払われる費用は、両社合わせて1,200万ポンド(約17億4,000万円)。
【こちらも】日系企業は「ポストイギリス」の拠点を模索へ-東京商工リサーチ
ウェストミンスター宮殿は上下両院で用いられる英国の現役の国会議事堂であるが、同時に、世界遺産「ウェストミンスター宮殿、ならびに聖マーガレット教会を含むウェストミンスター寺院」の一部でもある。
ロンドン中心部にあり、テムズ川に面した戦略的要衝のため、この地の歴史は古い。話によれば11世紀、エドワード懺悔王が宮殿とウェストミンスター寺院を建造し、それ以降、一帯はウェストミンスターと呼ばれるようになった。ちなみにウェストミンスターというのは、「West Monastery(西方修道院)」の略形であったと言われている。
有名な征服王ウィリアム1世(11世紀後半)も、ウェストミンスター宮殿で暮らしていたことがあったという。もっともその時代の建造部分はさすがにもう残ってはおらず、現存する最古の部分は、ウィリアム1世の子ウィリアム2世が造らせたものであるそうだ。
ウェストミンスター宮殿は中世には長く英国王の居城であった。とはいっても、今のウェストミンスター宮殿は、1834年の大火災を受けて再建された部分がほとんどである。その後、第二次世界大戦で爆撃を受けて一部に修築を行ったことなどはあるが、抜本的な改修は行ってこなかったという。当然のことながら、老朽化は著しく、様々な深刻な問題が生じている。
今回の工事では、建物全体の保全、機械・電機系設備の修繕、建物の警護に関する戦略立案、アスベストの除去、防火システムの改善などが行われる。改修は2020年までに終わる見通し。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
スポンサードリンク