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変わりつつ副業への意識、企業側は実際どう見ているのか?
給与が思う通りに上がらない昨今、副業に活路を見出そうとする人は多い。日本最大級のクラウドソーシングを運営するランサーズが、5月に続き、副業・兼業の現在値を知ると題した第2弾「働き方新時代の実態調査」を発表した。
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前回第1弾の調査では、正社員として働きながら副業・兼業に挑戦している働き手側の声を集計したが、今回は企業側の声を訊き、副業解禁はどこまで進んでいるのかを調査している。
最初の質問は、自社の社員(部下)の副業は許可しているか?「許可している」(56.8%)、「許可していない」(22.7%)、「条件付きで許可」(20.5%)という回答。約8割の企業が、副業を許可していた。
副業許可の条件としては、「社内生産商品の後加工」「スキルアップなどが見込めるもの」「本業に支障が出ない程度」「本業と競合しないこと」「本業に影響を及ぼさない」「知識の向上等があれば許可」「所属する組織長により事前承認」などが挙げられた。
副業を許可する理由には、「人脈や視野を広げ、能力向上」(56.0%)、「優秀な人材の確保、流出防止」(20.0%)、その他の意見としては「明確な理由はない」「給与が低すぎるため」「他社で勤務する人を雇用している」「入社前からもともとやっていた」などさまざまな回答もあった。許可する主な理由としては、従業員の能力向上を目的とする企業が半数以上だった。
一方、副業を許可しない2割の企業の理由だが、「本業に支障をきたす懸念」(55.6%)、「情報管理面での懸念」(22.2%)、「わからない」(22.2%)という回答だった。本業への影響を懸念し副業を許可しない企業が多いのが現状だ。
現在副業を許可していない企業に、今後許可の可能性があるか?と質問すると、「はい」(22.2%)、「いいえ」(77.8%)だった。現在許可をしていない企業は、今後も約8割が後ろ向きだった。許可しない理由は「仕事に支障をきたす」「守秘義務の徹底」「労働時間の管理ができないか」などが挙げられた。
最後に、企業側の人間としてではなく、個人的な意見として副業をどうみるか?という質問を投げかけると、「肯定」(93.8%)、「否定」(6.2%)となった。つまり、多くの人々が副業を肯定的に捉えていた。
なお、今回の調査はランサーズの発注者会員が対象ということで、既にフリーランサーに仕事を発注している企業ということを考慮すれば、一般的な企業よりは副業に対する障壁は低いかも知れない点は注意が必要だろう。
日本経済の大きな成長が見込めない現状において、今後、副業は必要でありスタンダードとなってくと個人的には考えている。二足のわらじの準備は着々と進めた方が良いだろう。(記事:久保圭大郎・記事一覧を見る)
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