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日本に地震が多いのは何故?その最新の知見
日本列島周辺のプレート運動と頻発する内陸地震。(イラスト:産業技術総合研究所発表資料より)[写真拡大]
現在の日本に多くの地震をもたらしている原因が、実は従来の説で考えられていたような太平洋プレートの運動によるものではなく、実際にはフィリピン海プレートの移動によるものではないか、との研究を、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)の高橋雅紀 研究主幹が発表した。
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日本は地震の多い国である。それは何故か。かいつまんで説明すると、地球上のプレートの移動によって、日本列島は常に東西から挟み込まれるように短縮運動を繰り返しているからだ。地殻が抑え込まれると、ひずみが生じる。そのひずみが開放されるときに起こるエネルギーの放出が地震と呼ばれる現象である。
ちなみに、この短縮運動は、約300万年前に始まった。その地殻の移動は、それまで海底にあった部分を陸地として押し上げ、やがてそれは陸地となり、山地となった。こうして生まれたものが、日本列島という山がちな島々である。日本列島を生み出した運動と、日本列島に地震をもたらしている運動は、本質的に同じ地殻エネルギーだというわけだ。
では、今回の産総研の研究について見てみよう。研究に使われたのはアナログの、地殻プレートの模型である。従来考えられていたような、太平洋プレートの沈み込みが地殻の東西短縮をもたらしている、という考え方は、三次元的な模型ではうまく再現できない、ということが実験により明らかにされた。
また、フィリピン海プレートの運動を東西短縮の主因として考えると、模型がうまく動作することも確認されたという。
ところで、300万年前から起こっている地殻の東西短縮は、今も続いている。最終的には、どうなるのだろうか? 遠い未来の予測をすると、日本列島はやがてユーラシア大陸と北米大陸の衝突に挟み込まれ、新しく生まれる超巨大大陸の高所地帯なってしまうらしい。どれくらいかかるかというと、2億5,000万年ほど先だとのことではあるが。
なお、産総研の研究の詳細は、地質調査研究報告にオンライン掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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