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光を光のまま伝える新時代の通信システム 産総研が開発
新ネットワークシステムのプロトタイプ機。(写真:産総研発表資料より)[写真拡大]
国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)のデータフォトニクスプロジェクトユニットを中心とした研究開発チームが、光スイッチによって光信号を電気信号に変換せず光のまま交換し、既存の通信システムと比べて圧倒的な超大容量・超低電力消費・超低遅延を実現する、新たな普及型情報通信ネットワークシステムの開発に成功した。
インターネットを中心とした情報通信は日進月歩の進化を遂げているが、それに伴う通信情報量の増大はかねてより深刻な問題となっている。過去に何度も何度も行われてきたとはいえ、今日なお技術的刷新は急務だ。
というわけで、また新しい通信技術が登場する。光伝送ネットワークシステムはこれが初めてというわけではないが、各企業で独自の規格が乱立しており、相互のやりとりが難しいという問題があった。
それに対し産総研は、独自に開発した中間制御装置(コードネーム・BlueBox)によって、様々な企業の製品を同一システム上に搭載可能とする統一規格化を実現した。
このシステムは、8K映像やビッグデータなどの膨大な情報量を持つ情報の台頭を前提とし、消費電力の増大という(それはまた、二酸化炭素排出という環境問題に直結する問題でもある)社会問題にも対応し、情報化社会を新たなるステージへと引き上げるものである。
ちなみに、研究開発に参加したのは、産総研のほか、日本電信電話、富士通研究所、古河電気工業、トリマティス、日本電気、富士通、フジクラ、アルネアラボラトリ、住友電気工業、北日本電線の10社。
なお、この技術に関する詳細は、23日までアメリカのロサンゼルスで開催されている光通信国際会議The Optical Networking and Communication Conference & Exhibition 2017(OFC2017)でプロトタイプ機の展示を行うとともに、8件に及ぶ論文が発表される。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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