青空文庫、2017年パブリックドメインとなった作家19人の19作品公開

2017年1月6日 09:58

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記事提供元:スラド

headless 曰く、 青空文庫は1月1日、小宮豊隆や鈴木大拙など、2017年に作品がパブリックドメインとなった著作者19名の19作品を公開した(青空文庫 — そらもよう)。

 公開された19作品は以下の通り。

  安倍能成「初旅の残像」 
 新井紀一「怒れる高村軍曹」 
 上田広「指導物語」 
 大下宇陀児「擬似新年」 
 亀井勝一郎「馬鈴薯の花」 
 河井寛次郎「社日桜」 
 川田順「枕物狂」 
 楠田匡介「」 
 小泉信三「この頃の皇太子殿下」 
 小宮豊隆「知られざる漱石」 
 佐佐木茂索「ある死、次の死」 
 柴田宵曲「古句を観る」 
 鈴木大拙「時の流れ」 
 中島哀浪「かき・みかん・かに」 
 中野秀人「第四階級の文学」 
 野間清六「百済観音と夢殿観音と中宮寺弥勒」 
 番匠谷英一訳「ユダヤ人のブナの木」(アネッテ・フォン・ドロステ-ヒュルスホフ作) 
 深瀬基寛「悦しき知識」 
 山中峯太郎「小指一本の大試合」 今年で20年目を迎える青空文庫では、1999年から元日にパブリックドメイン作品の公開を開始しており、19作品の公開は過去最多となる。また、2010年からは元日をパブリックドメインデイとして祝っているが、有名作家が数多くパブリックドメイン入りする年を「当たり年」と呼ばれるような風潮が生まれていることは本意ではないという。今回作品が公開された中島哀浪のように、郷土作家として生涯を過ごした作家の作品も紹介していくことで、有名・無名を問わずさまざまな作家に触れる機会にしたいということのようだ。

 また、別府大学では昨年、「別府」を含む青空文庫のテキストを使用した特別講演が開催されている。登壇した3人の小説家が講演のために書き下ろした「別府」を含む小説「グローバルタワーにて (福永信)」「湯けむり (澤西祐典)」「ぞなもし狩り (円城塔)」の3作品が青空文庫に収録され、1月2日に公開される。

 一方、The Public Domain Reviewでは、1946年に死去したH.G.ウェルズやガートルード・スタイン、ポール・ナッシュなど、著作権保護期間70年の国や地域で作品がパブリックドメインになる6人、1966年に死去した鈴木大拙やアンドレ・ブルトン、バスター・キートン、ウォルト・ディズニー、C.S.フォレスターなど、著作権保護期間50年の国や地域で作品がパブリックドメインになる10人を紹介している。

 なお、現在のところ日本での著作権保護期間は50年なので、1946年に死去した6人の作品については既にパブリックドメインになっている。一方、1966年に死去した10人については、日本人の鈴木大拙を除いて戦時加算対象の米国および英国、フランス国民であるため、作品の発表時期により最大で3,794日が加算されることになる。

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