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12月打ち上げの改良型「シグナス」補給船、ケネディ宇宙センターに到着
12月打ち上げの改良型「シグナス」補給船、ケネディ宇宙センターに到着(Image Credit: NASA/Jim Grossmann)[写真拡大]
米航空宇宙局(NASA)は8月11日、今年12月に打ち上げが予定されている無人補給船「シグナス」運用4号機(OA-4)の部品が、ケネディ宇宙センターに到着したと発表した。今後、他の部品も続々と到着し、打ち上げに向けた準備が始まる。
シグナスは米国のオービタルATK社(旧オービタル・サイエンシズ社)が開発した無人の補給船で、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届けることを任務としている。
この日、到着したのは「与圧貨物モジュール」(Pressurized Cargo Module)と呼ばれる部分。内部は1気圧の空気で満たされ、国際宇宙ステーション(ISS)に結合したあとは、宇宙飛行士が中に入って物資を運び出すことができる。
シグナスの全体はオービタルATK社が開発したが、この与圧貨物モジュールは欧州のタレス・アレーニア・スペース社が製造している。同社はスペース・シャトルに搭載にされていた与圧コンテナの「多目的補給モジュール」も開発、製造した実績があり、その技術が活かされている。
シグナスはこれまでに4機(注1)が打ち上げられているが、今回のミッションから「改良型シグナス」(Enhanced Cygnus)となる。改良型では機体の全長が長くなり、物資の搭載量も、従来型の2トンから、最大3.5トンにまで増えている。
またそれに合わせ、エンジンや太陽電池が搭載されているサーヴィス・モジュールも、大型の円形太陽電池パドルが搭載されるなどの改良が施されている。
現在のところ、打ち上げは今年12月に予定されている。ただ、シグナスを打ち上げる「アンタレス」ロケットが前号機で失敗し、現在改良が行われている最中にあるため、打ち上げにはユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)社の「アトラスV」ロケットが使われる。アトラスVはアンタレスよりも打ち上げ能力が大きいため、改良型シグナスの最大積載量である、3.5トンいっぱいまでの補給物資を運べるという。
また8月12日には、アトラスVによる2機目のシグナスの打ち上げが行われることも発表されている。この2機目は2016年に打ち上げられるという。
オービタルATK社はまた、前回打ち上げに失敗したアンタレスの改良と、その失敗で損傷を受けた、ヴァージニア州ウォロップス島の中部太平洋地域宇宙港(MARS)の発射施設の修理も行っており、改良型アンタレスの初打ち上げは2016年に実施、また発射施設の修理は今年の秋ごろにも完了する予定としている。
注1: 実証ミッション1回、NASAとの契約に基づく商業補給ミッション3回の計4回。なお、シグナス通算4号機(商業補給ミッションの3号機)は、ロケットの打ち上げ失敗で失われている。
写真=NASA。
■Cygnus Segment Arrives to Begin Processing for ISS Resupply Mission | NASA
http://www.nasa.gov/feature/cygnus-segment-arrives-to-begin-processing-for-iss-resupply-mission
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