阪大、人間に高い「対話感」を与えられる社会的対話ロボット「CommU」を開発

2015年1月22日 22:36

印刷

大阪大学の石黒浩教授・吉川雄一郎准教授らによる研究グループが開発した社会的対話ロボット「CommU(コミュー)」(写真:大阪大学の発表資料より)

大阪大学の石黒浩教授・吉川雄一郎准教授らによる研究グループが開発した社会的対話ロボット「CommU(コミュー)」(写真:大阪大学の発表資料より)[写真拡大]

  • 大阪大学の石黒浩教授・吉川雄一郎准教授らによる研究グループが開発した社会的対話ロボット「Sota(ソータ)」(写真:大阪大学の発表資料より)
  • 社会的対話ロボット「CommU(コミュー)」と「Sota(ソータ)」のコミュニケーション例(写真:大阪大学の発表資料より)
  • 社会的対話ロボット「CommU(コミュー)」の表情・表現例(写真:大阪大学の発表資料より)

 大阪大学の石黒浩教授・吉川雄一郎准教授らによる研究グループは、社会的対話ロボット「CommU(コミュー)」と「Sota(ソータ)」を開発した。

 一般的な生活環境の中でも、人間と対話ができるロボットの開発が注目されており、音声認識技術の発展によって、人間と音声言語でやり取りをすることができるロボットが開発されている。しかし、人間が人間と対話している時に感じる、対話に参加しているという感覚「対話感」を与えられるロボットは実現していなかった。

 今回開発された「CommU(コミュー)」は、小型のロボットでは通常採用されない眼球部・頭部・胴体部からなる豊富な自由度の機構を用いて視線方向を多様な方法で表現できる機能を備えており、CommUが人間に向かって話しているのか、CommUに向かって話しているかがはっきりと区別できる。また、対話の参加者となる人間やロボットを無視しているように見えない“社会的振る舞い”(視線を向けるなど)ができる。これらの機能によって、人間が高度な対話感を感じられるという。

 また、同様の形態による対話が実現できるロボットの眼球と腕部の自由度を落とし、ロボットクリエイター高橋智隆氏のデザインを取り入れた「Sota(ソータ)」も一般家庭向けに開発した。

 今後は、ソフトウェア・コンテンツ開発環境を整備するほか、人間の生活環境における情報提供・生活支援・コミュニケーション支援・学習支援といった対話ロボットによるアプリケーションの実証を進め、社会への普及を進めていくという。

関連記事