親のスマホ習慣が子どもの利用習慣に直接影響=イーランチら調査 

2014年12月14日 19:36

印刷

イーランチは、「保護者の利用習慣は子どもの利用習慣に直接的に影響している」との調査結果を発表した。

イーランチは、「保護者の利用習慣は子どもの利用習慣に直接的に影響している」との調査結果を発表した。[写真拡大]

 NPO法人e-Lunch(以下、イーランチ)は11日、1歳から6歳の幼児の保護者1,158人を対象に「幼児のスマートフォン・タブレット利用調査」(期間:2014年9月10日から9月30日)の分析レポートを公表した。その結果、「保護者のスマートフォンやタブレット利用時間が増えると、子どものスマホを利用する時間も増える」、「保護者の利用習慣は子どもの利用習慣に直接的に影響している」と結論づけた。

 この調査は、セキュリティソフトメーカー、カスペルスキーの協賛事業「スマホのある子育てを考えよう」の一環で実施したもの。調査によれば、「62%の家庭がスマホを利用するときのルールを定めている」一方で、「約50%の家庭では子どもが利用するスマホにウイルス対策やフィルタリングなどの安全対策を施していない」ことも判明。この調査結果を踏まえ、イーランチでは今後、「保護者を対象に家庭でのルールづくりや、セキュリティ対策の啓発活動にさらに力を入れて取り組んでいく」とした。

 調査対象となった保護者1,158人のうち、スマホを週2日以上利用する習慣は、1歳児では18.2%だが、2歳児ではその倍以上の47.4%になった。親の1日のスマホ利用時間がゼロの場合は、69.2%の子どもが利用時間ゼロなのに対し、親が15分利用している場合は、利用時間ゼロの子どもは16.1%減少し、53.1%となった。

 親の1日のスマホ利用時間が30分の場合、利用時間ゼロの子どもは31.2%に減少。また、32.5%の子どもが親と同じ30分、またはそれ以上の時間スマホを利用しているという。

 幼児のスマホ利用の目的は、「どの年齢でも写真や動画を撮ったり見たりという使い方が多くを占める」という。また、「1日2時間以上利用している子どもに絞ると、動画を見たりゲームで遊んだりするという回答が多くなり、子どもが単独でスマホを使い続けている様子が推察できる」とイーランチは分析する。

 スマホ利用時のルールに関しては、「本調査では、62%の家庭がスマホを利用するときのルールを定めている」とした。これは今年2月に内閣府が発表した「平成25年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果」での、「満10歳から満17歳までの青少年の家庭でルールを定めているのは67%」という結果にも近い数字だ。このことから「子どもの年齢に関わらず、親は子どもにスマホを利用させるときには、何らかのルールを設ける必要性を認識している」とイーランチは分析する。

 一方で、「本調査では約50%の保護者が、子どもたちに手渡すスマホにウイルス対策やフィルタリングなどを施していない」ことが判明。「保護者が気づかぬうちに子どもが課金サービスやクレジット決済を利用する事例も増えている」(国民生活センター情報)ことから、「早急に安全対策を取る必要がある」とイーランチは警鐘を鳴らす。(記事:町田光・記事一覧を見る

関連記事