どう見る!1万8000円乗せの日経平均株価

2014年12月8日 16:22

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【直ちに2万円は無理、業績を先取りで16年3月期を見極める転換へ】

■「援助型景気」から、「自力走行型景気」へ

日経平均は遂に1万8000円に乗せた。これで、目標達成となるか。

8日(月)の前場で1万8030円まで上昇、2007年7月以来、7年5カ月ぶりに1万8000円水準に乗せた。以前から1万8000円は上値のフシとみられていた。それに、リーマンショック前の高値1万8300円(2007年2月)に近づいているため短期的には指摘通り達成感からモミ合うだろう。

急反落の心配はないか。

14日の投票結果で自民・公明が過半数に達しないような場合は急反落の可能性は否定できない。事前予想では勝つことが確実視されているので急落の心配はなさそうだ。ただ、想定通りの勝利ということになれば好材料出尽くし感から利益確定売りが先行し日経平均の若干の調整は予想される。

安部政権が勝利した場合の相場のシナリオはどうか。

2013年のアベノミクス第1章、2014年の第2章に続いてアベノミクス第3章の幕開き相場ということになる。第1、第2章と第3章の違いは、第1章・第2章が金融政策を支えとした「援助型景気」だったのに対し、第3章では成長戦略による「自力走行型景気」と位置づけることができる。当然、相場のテーマは成長戦略にマッチした「テーマ株相場」と、「業績相場」色合いが強まる。

どんな銘柄が注目されるか。

業績面では1部市場の実力優良銘柄だろう。リーマンショックのあと1部市場の老舗銘柄は財務体質改善などリストラに取り組んできたため収益力は改善されている。名門銘柄復活が数多くみられる。もう一方のテーマ性ということではバイオ医療、バイオ燃料、ロボット、地方創生関連でカジノ、オリンピック関連、中央リニア新幹線といった夢のある材料に関連した小型の新興系銘柄が注目される。老舗名門銘柄と小型のテーマ株が同時に買われる展開が予想される。また、株価の価格帯でみればNT倍率が高くなっていることからみて、これまでの値ガサ株中心から値の低い中低位株へ物色のホコ先が移る可能性はある。

日経平均の2万円はあるか。

直ちに期待することは無理だろう。既に、1部市場のPERは17倍程度まで上昇し業績を先取りしている。アベノミクス成長戦略が動き出し2016年3月期の業績好調が見通せるようになりPERが低下(一株利益向上)するようになったときに日経平均2万円の可能性が高まるだろう。短期的には1万8300円前後で上げ一服となりモミ合いいりとなることが予想される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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