NASAの新宇宙船オリオン、2回目の洋上回収試験を実施

2014年8月11日 09:35

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記事提供元:sorae.jp

NASAの新宇宙船オリオン、2回目の洋上回収試験を実施(Image credit: NASA)

NASAの新宇宙船オリオン、2回目の洋上回収試験を実施(Image credit: NASA)[写真拡大]

 米航空宇宙局(NASA)は2日、米海軍らと共同で、「アンダーウェイ・リカバリー・テスト2」と名付けられた、オリオン宇宙船の洋上回収試験を実施した。今年12月に予定されている初飛行に向け、準備は着々と整いつつある。

 試験は8月1日から4日かけて、カリフォルニア州サンディエゴ沖の太平洋上で行われた。試験にはNASA、米海軍のほか、オリオンを開発するロッキード・マーティン社や、米国防総省の有人宇宙飛行支援隊などが参加。米海軍の揚陸艦USSアンカレッジを中心に、海上に浮かぶオリオンの試験機を安全に回収するための、いくつかの技術が試された。

 回収試験は今回で2回目で、1回目は今年2月に行われている。NASAにとって洋上に着水した宇宙船の回収はアポロ宇宙船以来の経験となるため、技術や経験は断絶していたが、無事に試験は成功した。

 オリオンは現在NASAとロッキード・マーティン社が開発中の宇宙船で、「NASAの宇宙船」としてはスペースシャトルの後継機にあたる。地球低軌道までにしか人を運べなかったスペースシャトルとは違い、オリオンはアポロ宇宙船のように月へ、そしてさらにその先の火星や小惑星へも人を運ぶことができる宇宙船として開発が進められている。

 その最初のミッションは探検飛行試験1(EFT-1、Exploration Flight Test 1)と名付けられており、大型の人工衛星の打ち上げに使われているデルタIVヘビーロケットに、無人のオリオンを搭載して打ち上げ、地球周回軌道を2周した後、大気圏に再突入し、太平洋に着水することを計画している。最大高度は約6,000km、大気圏再突入時の速度は秒速約9kmにまで達する。この試験により、オリオンの電子機器や耐熱システム、パラシュートなどが設計通り機能するかが試験される。

 当初このEFT-1は、今年の9月に実施が予定されていたが、米空軍の軍事衛星の打ち上げが優先されたため、12月に延期されることになった。

■NASA, Navy Prepare for Orion Spacecraft to Make a Splash | NASA
http://www.nasa.gov/press/2014/august/nasa-navy-prepare-for-orion-spacecraft-to-make-a-splash/#.U-e8xGOp4dh

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