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北大、上皮細胞が初期がん細胞を排除する仕組みを解明 がんの新治療薬の開発に期待
北海道大学の藤田恭之教授らによる研究グループは、正常上皮細胞内のフィラミンとビメンチンというタンパク質が初期がん細胞を取り囲むことで、上皮組織から排除していることを明らかにした。
これまでの同グループの研究で、上皮細胞層にがんが発生した時、周囲の正常な細胞と相互作用が起こって、がん細胞が上皮細胞層から逸脱する現象が起こることは分かっていたものの、その仕組みについては解明されていなかった。
今回の研究では、哺乳類培養細胞とゼブラフィッシュを用いて正常上皮細胞とがん細胞の境界で特異的に機能している分子を模索したところ、フィラミンとビメンチンという細胞骨格タンパク質ががん細胞を取り囲んでいることが分かった。また、これらのタンパク質はがん細胞を上皮細胞層から押し出すよいうに排除していることも明らかになった。
今後は、本研究成果を用いて「隣接する正常な細胞にがん細胞を攻撃させる」という新たながん治療が実現できると期待されている。
なお、この内容は7月31日に「Nature Communications」に掲載された。
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