月の内部には柔らかい層があり、熱を生じていることが明らかに

2014年7月29日 15:29

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今回の研究成果に基づく月内部構造の想像図(国立天文台の発表資料より)

今回の研究成果に基づく月内部構造の想像図(国立天文台の発表資料より)[写真拡大]

  • 今回の研究で観測結果をよく再現する月内部の粘性構造の推定値(国立天文台の発表資料より)

 中国地質大学などによる国際研究グループは、月の内部に柔らかい層が存在していること、そしてその層は地球の引力によって熱を生じていることを明らかにした。

 他の天体の引力によって、惑星や衛星は形が変わり、その変化によって内部構造を解明できることが知られている。一方、これまでに考えられていた月の内部構造を仮定すると、観測された月の形の変化を説明できないという課題があった。

 今回の研究では、月の核を覆うマントルの最下層に柔らかい層があると仮定すれば、観測されている月の変形を上手く説明できることを理論的な計算によって明らかにした。さらに、柔らかい層の中では月の形が変形するに伴って発熱が起きていることも分かった。

 研究メンバーの原田雄司博士は、「月のマントルの底の軟らかい状態がどのように長期間維持されるのか(中略)これを明らかにするために、より詳細な内部構造・発熱のメカニズムを今後研究していきたいと思っています」と語っている。

 なお、この内容は「nature geoscience」に掲載された。

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