ロコットロケット、3機の通信衛星ガニェーツMの打ち上げに成功

2014年7月5日 22:00

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  ロシア航空宇宙防衛軍は2014年7月3日、3機の通信衛星ガニェーツMを搭載したロコットロケットの打ち上げに成功した。これでガニェーツMは軌道上に9機が揃い、来年の本格的なサービス開始に向け、大きな前進を果たした。

  ロコットはモスクワ時間2014年7月3日16時43分(日本時間2014年7月3日21時43分)、ロシア北西部にあるプレセツク宇宙基地の133/3発射台から離昇した。ロケットは順調に飛行し、18時28分(同23時28分)に衛星が分離され、所定の軌道に投入された。

  ガニェーツMは、軍用の通信衛星ストレラー(ラードニク)から派生した民間向けの通信衛星で、主に地上の通信サービスが行き届いていない地域を対象にサービスが展開される。方式としてはストア&フォワードと呼ばれる、発信者から送信されたデータを一旦衛星内で保管し、受信者のアンテナの可視範囲に差し掛かった際にデータを降ろすという運用が行われる。ちなみにガニェーツとは「配達人」、「メッセンジャー」といった意味だ。

  打ち上げ時の質量は280kg、設計寿命は5年が予定されている。ガニェーツMは高度1,350km、傾斜角82.5度の軌道に計12機の衛星を、2つの軌道面に分けて配備することが目指されている。衛星を製造したISSレシェトニェーフ社によれば、今回の打ち上げにより軌道上の衛星数は9機になったという。次の打ち上げ12機が揃うことになり、2015年にも全面的にサービスが始まる予定だ。

  ロコットは大陸間弾道ミサイルのUR-100N UTTHを基に、衛星打ち上げ機として開発されたロケットである。今日までに弾道飛行の試験を含めると25機が打ち上げられ、そのうち衛星を予定の軌道に投入できなかったなどの明確な失敗を2回起こしている。また2013年1月の打ち上げでは、衛星分離後に実施される第3段の軌道離脱噴射ができないという問題も起こした。

 ■Ракета-носитель «Рокот» вывела на орбиту блок космических аппаратов «Гонец-М»
http://www.federalspace.ru/20747/

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