【相場熟者が答える投資相談】新日鐵住金の買い増しを考えていますが

2014年4月13日 17:58

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■新日鐵住金を300円で2000株持っています。買い増しを考えていますが(山口県・Y)

 【問い】 新日鐵住金 <5401> を300円で2000株持っています。下がってきたので買い増しを考えています。アドバイスをよろしくお願いします。

■買い増しに賛成、15年3月期も増益、増配含み

  【答え】 新日鐵住金は、4月11日(金)2円円安の267円と6営業日続落、5円安の264円と売られています。

  ウクライナ情勢の緊迫化、米国株大幅安、円高進行に加え、3月の中国貿易統計は輸出が前年同月に比べ6.6%減となったことから、中国景気の減速懸念の高まりも嫌気され売り優勢の展開が続いています。

  株価は、昨年9月27日高値359円、同12月30日高値356円と買い直された後、同11月6日安値311円の下値支持線を割り込み3月25日に年初来安値262円と調整。その後、4月2日高値291円と上昇。再度、下値を探る動きとなっています。

  足元の業績、国内鉄鋼需要は、土木・建築分野では復興需要の継続や経済政策効果が本格化し、設備投資の回復や景況感の好転等に伴い製造業向けの需要が増加するなど、引き続き堅調に推移。輸出については、回復の動きが見られているが、国際市況については、中国鉄鋼メーカーの供給圧力が依然強く、鋼材需給の軟化が継続し、引き続き厳しい状況が続くが、2014年3月期業績予想は、売上高5兆4500億円(前の期比24.1%増)、経常利益3400億円(同4.4倍)、最終損益2200億円の黒字(同1245億6700万円の赤字)と黒字転換を見込んでいます。年間配当は5円(同4円増配)を予定しています。

  チャート的には、昨年9月27日高値359円、同12月30日高値356円と買い直され二番天井を形成した感がありますので、13週移動平均線が上値抵抗線として意識される可能性はあります。ただ、3000億円の資産圧縮が14年3月末に1年半前倒しで完了。米国の薄板工場をミタルと共同買収やインドで生産した軽量エンジン部品を米国に輸出するなど海外工場から第三国への供給体制の構築化を進めていることが寄与し、15年3月期業績見通しも続伸、増配含みと観測されていますので、5月9日に予定される14年3月期決算の発表に対する期待感はあります。前期予想PER11倍台と割安感がありますし、配当利回りは1.8%と利回り妙味もソコソコある水準で、3月25日の年初来安値262円に接近しましたので、値ごろ感が出始めています。目先ここからの下値は限定的と思われますので、ここから下押す場面があれば、26週移動平均線をメドとしたリバウンド狙いで買い増しを考えても良いでしょう。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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