『おっかなびくびくの展開』だが堅調相場を予想=犬丸正寛相場展望

2014年4月4日 17:17

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  来週も、『おっかなびくびくの中での堅調相場』が予想されそうだ。消費税等の影響から経済、景気に対する慎重な見方は依然多く、東証1部売買代金は2兆円前後の低水準が続いている。その中で日経平均1株利益の高水準を背景に強い展開となっている。

  とくに、4月3日には1万5164円と上伸、厚い上値のカベとなっていた1万5000円を抜いた。次は3月7日の1万5312円が目標となっている。

  消費税不安をハネのける強さになっているのはNYダウの強さにあるといえる。そのNYダウは3日には、遂に、昨年末につけた場中高値(1万6588ドル)を抜いて1万6604ドルと過去最高を更新した。量的金融緩和を縮小しても、なお失業率が改善するなどアメリカ景気の強いことが株高の根底にある。NYダウベースの1株利益は1020ドル前後の高水準にある。さらに、米国の外交力アップなど強いアメリカ復活も安心感としてあるようだ。もちろん、シェールガスが背景にあることは言うまでもない。

  NYダウが新高値となったことで、上値に対する期待はさらに高まってくることになるだろう。現在のNYダウのPERは16倍ていど。今後、1株利益向上の見通しが出てくるようになれば1万8000ドルという声は高まってくるものとみられる。とくに、例年、『5月ピーク』となっていることから当面、5月高値に向かって強い展開が予想されそうだ。

  そうなれば、NYダウと連動性の高い日経平均も強い展開が予想される。ただ、NYダウに対する日経平均の倍率が、長期間、0.9倍状態が続いていることは注意しておく必要がある。仮に、5月にNYダウ1万7000ドルとみれば、倍率0.9倍で日経平均は1万5300円となって、今の水準から大幅高は期待できない計算である。

  日経平均がNYダウから離れて独自高(NN倍率アップ)するには、昨年春のような異次元金融緩和、法人税率引下げ、TPP交渉のまとまり、成長戦略などの材料が具体化する必要があるだろう。これから2014年3月期決算の発表を控えているだけに今の段階で2015年3月期を先走って本格買いするには早過ぎるだろう。

  一部にはNYダウの最高値更新で日経平均も高値更新期待があるのも事実である。しかし、日本の場合は「高値」といってもいろいろあり、史上最高値ということでは3万8915円(1989年)とはるか上に位置し、とても手が届く位置ではない。せいぜい、昨年暮れにつけた1万6320円が目標となるが、それでさえ今の状況では容易ではない。

  ただ、3月頃の弱気充満に近い状況からみればマーケット人気はかなり好転していることも事実である。空売り攻勢も含め売物は薄れている。一方の買方も消費税が控えているだけに、おっかなびっくりといった状況でまだ本腰が入った状態ではない。

  テクニカル面では、26週線を再び上抜いて買い転換していることから買方優勢の展開といえる。売物が薄れた中を日経平均は昨年暮れ高値を目指した堅調な展開が予想されそうだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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