近い将来、特定の人にだけ感染させるウイルスが作れるようになる

2012年11月1日 07:00

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 The Atlanticによれば、近い将来、「特定の人物のみに感染するインフルエンザウイルス」といったものが簡単に作れるようになるという(The Atlantic本家/.)。

 現在、DNA解析に必要なマイクロアレイスキャナ、質量分析計、遺伝子シーケンサーなどの機器は100万ドル以上の費用がかかるが、そう遠くないうちにeBayで10,000ドル以内で落とせるようになるだろうとしている。記事では、2015年にはDNA解析技術の向上により、特定の人物の末期がんを直すことのできる遺伝子治療が実現、ウイルス学者たちはカスタマイズされた治療手法をクラウド上で共有する時代が来るだろうとも予想している。こうした技術を応用すれば、講演会などでウイルスを流すだけで特定の人物だけを暗殺できるウイルスが作れるようになるとしている。

 このようなウイルスはまだ実現されていないが、シークレット・サービスなどの著者として知られるジャーナリストRonald Kessler氏によれば、すでに大統領のDNAは保護の対象となっているという。大統領を警護するシークレット・サービス内ではDNAが外部に漏れないようにシーツの毛の回収やコップの原菌などを行う訓練が徹底して行われているとしている。またこうした防御だけでなく、2010年にWikiLeaksがリークした情報の中には、ヒラリー・クリントン国務長官がひそかに世界の指導者たちのDNAを攻撃に備えて収集しているという話も出ている。また米国では生物学的戦争に備えた演習も日常的に行われているとしている。

 しかし、さまざまな工夫をしても大統領のゲノムが守り切れる保証はない。記事の中では対策の一つとして開かれた意見交換、継続的なコラボレーションなどオープンソース化による徹底した透明性の確保を行うべきだという意見も掲載されている。

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